絶景の朝と絶望の夜…

無数の間欠泉が砂漠の大地から吹き上げる、
空は紫がかった雲、夜明けは近い。

 

夜明けの間欠泉

早朝5時に宿を出発し、町から北へ約90km。
「タティオ間欠泉群」を訪れている。
ここは世界最高所の間欠泉で、立ち昇る水蒸気が幻想的だった。

気温は氷点下に近い…。
ぶるぶると身体を震わせながら白い息を吐いた。
やがて朝日が大地を暖め、美しく山々を照らした。

 

地球は生きている

寒さに震えながらその光景を眺めた。
岩と砂の大地から無数の水蒸気が立ち上る。
朝日に照らし出される白い水蒸気と沸騰した湯柱は、
圧倒的で言葉にできない。

澄み切った空気の中で間欠泉群を見てまわった。
白煙に近づいてみると、沸騰した湯柱が高く吹き上がった。

地球は生きている―

あたりまえだけど、忘れがちなことを教えてくれた。
白煙や湯柱を見ながらの温泉もオツなものだった。
リャマのバーベキューも美味だった。

 

 

チリ最古の町

 

宿に戻ると午後2時、今度は自転車を借りて町へ出かけた。
サンペドロ・デ・アタカマは、
1540年に作られたチリで最も古い町。
アドベと呼ばれる日干しレンガ作りの風情のある町並みで、
アンデス山脈の山並みが近い。
中世の町にタイムスリップしたような気分で
情緒溢れる町歩きを楽しんだ。

カラカラに乾いた町はほとんどがレストランや土産店で、
通りは観光客で賑わっている。
この町の周辺にはチリのハイライトと言うべき景勝地があるし、
ボリビアへと抜けるツーリストも多いため
この町がその起点となっている。
時間が止まったような静かな町とのミスマッチも面白かった。

↑1730年建造のサンペドロ教会

 

悪夢、再び?

宿に帰ると悲劇が待っていた。
日記を書こうとパソコンの電源をON、

…、…、…、ん!?

画面は真っ暗のまま無音…。
逆に頭は真っ白になった、う、嘘でしょ!?

つい3時間前まで元気に動いていたパソコンがなぜ???
立て、立つんだジョー!な気分だった。
何度も強制終了を繰り返したが、
「俺は燃え尽きたよ…」と、完全に心配停止状態(泣
結局そのまま息を吹き返すことはなかった…南無

マルコス(宿のスタッフ)にパソコンを借り、
検索エンジンで
「ACER 起動しない 対処法」と打ってみた。
すると出てきた項目は“突然死”。
このような状態をそう呼ぶらしい。
対処法も紹介されてはいたが、専門用語のオンパレードで
こっちまでフリーズしようだった。
スペイン語も難しいけど、C言語も難しい…。

その夜、パソコンが直る夢を2回見た。
起き上がって電源を入れてみたが
現実はそう甘くはなかった…。

 

旅のカケラ/slideshow

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