遠く遠く

午前9時、
昨夜干しておいた洗濯物を取りに屋上に向かった。
今日も快晴、洗濯物もきちんと乾いていた。

 

旅立ちの準備

荷物を詰め直し、チェックアウトの準備をしていると
あるショックなことに気がついた。
「カメラのバッテリーがない…!?」
隅々まで探したが、
一眼レフ用の予備バッテリー3つが見当たらない。
どうやらイキトスの宿に置いて来てしまったようだ…。
出るときに忘れ物を確認したのに、
さてはベッドの下にでも転がり込んでいたのかも?

仕方ない、では気持ちは晴れなかったが
いまさらどうしようもない。
残り1つバッテリーでがんばるしかない。
どっかで売ってるといいんだけど…。

 

「あれ、もう行くの?」
昨日の日本人に声をかけられた。
「うん、当日券がなくなってたら嫌だし、
もしなかったら違うバスで行けるとこまで
行こうと思ってるから」
そういえば久しぶりに日本語で会話したな(笑
ここ数日は英語すら話す機会がなかったし。

 

次なる国へのバス

通りでタクシーを拾い、オルメーニョ社に向かった。
リマにはバスターミナルはなく、
各バス会社のオフィスからバスが発着する。
だから事前にネットで調べておかないと
目的のバスがなかった場合困ってしまう。

15分ほどでオルメーニョ社に着いた。
はやる気持ちでカウンターに向かい
「グアヤキル」と、行き先を告げた。
空席は残っていた。
それどころか、2席しか埋まっていなかった。

リマ→グアヤキルは、所要時間30時間、
運賃は60ドルだった。長いし高い!

でも、これで一気に国境超えできると思うと
距離も時間も値段も気にならない。
出発まで4時間、
隣にあったケンタッキーで時間を潰した。

 

ペルーで見る最後の夕焼け

バスは1時間遅れの16時に出発した。
2階の一番前、ひとりがけのスペシャルシートを確保。
後ろを振り向くと、乗客は全部で5名。
こりゃ赤字だね…。
途中何ヶ所か停留所に寄ったが
ほとんど乗客の乗り降りはなかった。

リクライニングを全開に倒して、
足を投げ出して、防寒対策にポンチョを被って。
シートの脇には、小説とiPod、コーラとチョコレート。
これで完璧だ。30時間もへっちゃら×2

ペルーで見る最後の夕焼け。
空はピンクからオレンジ、そして赤へと色を変える。
太陽が沈んだ後のほうが、空はうんと赤く染まる。

21時ころ夕食が運ばれ、
それが済むとそのまま目を閉じて音楽を聴いた。
時間は気にならない、どこを走っているかも気にならない。

ただ流されていればいい、今は。
流れに逆らわないことも旅や人生には大切な要素。
最後の見極めを、
岸に上がる瞬間だけ間違わなければいい。

この流れに乗ってエクアドルへ向かう。
ガラパゴスに行くかどうかは、まだ結論が出ないが
今はこの葛藤を楽しんでいる。
流れ的には“行く”感じだけど、
最後の見極めはまだ。

答えはこの夜の向こう、グアヤキルにある。

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