ハルタビ ’16(ペルシャ編) ♯8 GOING STEADY

砂漠の街、ヤズド。
乾いた風と、刺すような日差し。
この旅の最終ステージだ。

 

日干しレンガの家並み

砂漠地帯に紀元前から拓かれたオアシス都市で、
日干しレンガで作られた家並みが美しい。
独自の灌漑施設や伝統的なペルシア建築などが残されている。
ゾロアスター教の発祥地としても知られる。

土色の家々が建ち並ぶ旧市街はまるで迷路で、
地図なんて役に立たないから、
勘を頼りに細い路地をカメラ片手に歩いた。
暑いからか、ほとんど人が歩いていない。

寺院やバーザールの複合施設である
アミール・チャグマーグのタキーイェは、
シンメトリーなカタチと2本のミナーレが特徴。
残念ながら今日は特別な休日らしく、
すぐ近くにあるバーザールはどの店も閉まっていた。

続いてマスジェデ・ジャーメを押さえておく。
入口タイルは、太陽を浴びてキラキラと美しく、
中に入ってドームを見上げると、
そこにも見事なタイルワークが施されていた。
イスラム建築って、ホントに手が込んでいてスゴイ!

 

乾いた街と沈黙の塔

正午、気温はどんどん上昇。
なんて暑いんだ…。

ヤズドの建築は、この暑さに対してしっかりと対策されていて
上空の涼しい風を取り込んで家を冷やす
バードギールと呼ばれる風取り塔がある。
砂漠の厳しい気候風土に適応するために、
自然の力を巧みに利用した、
エコシティの先駆けともいえる街である。

太陽は真上にあり、日陰をどんどん奪っていく。
本日3本目の水を買い、タクシーに逃げ込んだ。

ヤズドのハイライトは「沈黙の塔」。
街の郊外の荒野にあり、
ゾロアスター教の墓場の跡である。

1930年頃まで実際にここで鳥葬が行われていて、
2つの塔があり、そこが鳥葬場らしい。

塔に登ると遠方にヤズドの街が見渡せた。
乾いた風に吹かれながら
ここでイラン旅にピリオドを打った。

 

 

さらば、ペルシャの風

空港に向かうまでの時間、
残ったお金を使い切ろうと土産店を巡った。
絨毯に惹かれてしまい、
なるべく小さいものにしたがつい5枚も買ってしまった…。

アンティークなタイルやファブリック、
色とりどりの雑貨も買い漁った。

 

18:25ヤズド→19:35テヘラン

1時間のフライトでメヘラバード空港に到着。
ここからタクシーに乗り換え、
国際線のエマームホメイニ空港に移動した。

車窓から街のネオンを眺めていると、
旅の終わりと、夜の淋しさが混じり合う。
日中はどこに行きたい、何がしたい、
という気持ちが勝るが、
こうして異国の夜を迎えるたびに
孤独な気持ちに胸が痛くなる。

しかも、今日と明日は空港泊し、明後日は機内泊という
宿無しの夜を3つも越えなければならない。
硬いベンチでひとり、じっと朝を待った。

 

旅のカケラ/slideshow

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