鏡の国のアリス

「ウユニ塩湖」はボリビア西部にある塩の大地。
標高は約3700m、面積は約12000km²という広大な塩の固まり。
塩湖の中央で周囲を見渡すと辺りは真っ白な大地であり、
雪原の中にいるような錯覚を起こす。

 

ウユニ塩湖

ウユニ塩湖があるアンデス山脈は
短期間に海中から隆起して形成された。
そのため大量の海水がそのまま山の上に残され、
さらには乾燥した気候であったこと、
ウユニ塩湖が流出する川を持たなかったことなどにより、
世界でも類を見ない広大な塩湖が形成された。

 

午前5時、ウユニ塩湖で朝日を見ようと四駆に乗り込む。
思えば昨日はトラブルに見舞われ、宿には夜遅くに到着した。
狭く揺れる車内は身体を強張らせ、体力を奪っていく。
ほぼ無言で夕食を済ませ、2日ぶりのシャワーを浴びて眠った。
だから、身体は重く、瞼も重い。
相手がウユニ塩湖じゃなかったら恐らくリタイヤしていただろう。

 

空が明るくなるにつれ、
塩湖はその全貌を明らかにした。
雪のように白い大地に、
赤みを帯びてきた空が映っている。

 

サボテンの島

今は雨季。
ウユニ塩湖は地面が水平なので深い湖にならず、
湖面に水深5cmほどの水が溜まって
湖全体が鏡のようになる。
そのため、空や雲そして虹までもが映りこみ
非現実的な世界になる。雨季で、水深が5センチ位、晴れであることが
この現象が起きる条件だそうだ。
本日の天気は晴れ。しかも5cmほどの水が溜まっている。
これは期待できるんじゃないか!?
日の出が待ち遠しい。

塩湖の中央には、
「魚の島(Isla de Pescado)」と呼ばれる不思議な島がある。
遠方から見たときに島の形が魚のように見えることからその名前がついた。
この島にはサボテンが多数生えていて、
雪原のような真っ白な中にポツンと現れる奇景である。
ここで車を降り、島に上陸して朝日を眺めた。

見渡す限りの水平線に昇る太陽、
とても神秘的だった…。

 

不思議な世界

この島の周りは水が干上がっていて、
どこまでも歩いて行ける。
雪か氷の上を歩いている感覚なのに
触っても冷たくないから不思議な気分。
ジャンプしたり、座ったり、寝転がったり、
カメラのセルフタイマーを使って遊び続けた。

遠くで「何をしてるんだろう?」と
ガイドが首を傾げている。
いいの、いいの、気にしない。
2時間ほど夢中になっていると息が切れてきた。
そうだった、ここは標高3660mと富士山よりも高い。

 

塩でできたホテル

車に戻ると、次は『塩のホテル』を目指して塩湖を進んだ。
塩湖の中程にある、塩でできたホテルで
壁もテーブルもベッドも全てが塩のブロックで作られている。
本当はここに泊まりたかったが、
1泊40ドル近い値段がするため見学だけで我慢した。

中に入ると数名の宿泊客がいて、みな日本人だった。
どこにいっても日本人に出会う。
ホント、旅好きだよね(笑

壁を触ってみた。ガサガサしていて硬い。
これならコンクリートと変わらないや。
試しに爪で削って舐めてみると、
ウゲっ、しょっぱい!
もしゆで卵があったら
壁やテーブルに擦り付けて食べれるよ。

 

鏡の現象

どれくらい走っただろう?
湖面が水を帯びてきた。
でるか、鏡の現象!?
大きな水溜りのような場所に、
空と雲がくっきりと映りこんでいた。

 

でも、車は止まらない。
え、なんで?運ちゃんここで止まろうよ…。
欧米人もガイドも、さほど気にした様子はない。
ウユニ塩湖の鏡の現象って、
珍しがるのは日本人くらいなわけ?

水しぶきを上げながら車は爆走…。
仕方ないから窓を開けて、カメラを構えた。
ちょっとおかしなことに気がついた。
鏡の現象が見られる条件は3つ、
「雨季、水深5センチ、晴れ」であること。
このすべてを満たしているのに
鏡になっている場所は限られている。

なぜ?

答えは風だった。
風が強いため水面に波が立ち、
せっかくの鏡が崩れてしまっていたのだ…。
うーん残念。
でも、ところどころ鏡になっていたし、
十分にありえない景色を目の当たりにしているので
落ち込むことはなかった。

 

サンペドロ・デ・アタカマ(チリ)から
ウユニ(ボリビア)へと抜ける2泊3日のツアー。
110ドルでこの内容はお買い得でしょ♪

“鏡の国のアリス”
にはなれなかったが、
夢の中の世界を見させてもらった。
夢は自分の中にあり、そして世界中にある。
どっからが夢で、どっからが現実かは
その場所に行ってみればわかる。
すべては自分の目と足で。

 

では、次なる夢を見に「ペルー」へと向かいます。

 

「夢からさめたアリスは自らに問いかける。
夢の中の全ては赤の王様の夢が作り出したもの。
だけどその夢を見ていたのは私。
それならどっちがどっちの夢の中にいたのかしら?
私?それとも赤の王様?と」
(『鏡の国のアリス』より)

 

旅のカケラ/slideshow

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