はじまりと落とし穴…

 

ヨハネスブルグ発、ブエノスアイレス行き。
午前4時、一番電車ならぬ一番飛行機に乗り込むため
空港へ向かった。

昨日はケープタウンからヨハネスブルグに飛び、
早朝のフライトに備えて空港近くに宿をとって、
夕食はルームサービス、翌朝の空港への送迎もお願いしておいた。
すべてが万全だった、ここまでは…。

 

片道切符

空港のチェックインカウンターで最初の問題が発生した。
「君、帰りのチケットは?」
南アフリカを空路で出国する際、片道航空券だともめる。
そう情報ノートに書かれていたが、
まさにその通りになってしまった。
係員に呼び止められ、「なぜ片道しか持っていない?」
としつこく尋問された。

「だから、まだ帰りの予定が決まってないんだよ」

そう説明を繰り返すも、
それじゃダメだ!と押し問答がつづく…。
今すぐ帰りのチケットを買うか、
さもなくばフライトをキャンセルする!
もう、カンベンしてよ…(泣)

だいたい、入国時にもめるのならまだ分かるが、
なぜ、出国するのにその先のことを
とやかく言われなければならないのだ?
まったくほっといてほしいよ、それが本音。
でも、下手に出ておくのが得策。
アルゼンチンに着いたらすぐにネットで手配するから、
と、ここは拝み倒すしかない。

容赦なく時間は流れ、ファイナルコールが近づいた頃、
根負けした係員がパスポートとチケットを返してくれた。
「行ってよし」
内心イライラしていたが、ありがとうと礼を述べ、
最後の1人として飛行機に搭乗した。

 

なぜ?ケープタウン??

ブエノスアイレスまではおよそ14時間、
人生で最も長いフライトだ。
ヨハネスブルグを飛び立った飛行機は2時間後、
ケープタウンに着陸した。

 

ん?なぜケープタウンに寄る??
そんな話聞いてないよ…。
昨日ケープタウンからヨハネスブルグに飛んできたのに
またケープタウンに戻ってきた…。
ヨハネス発の方が安いからと、このチケットを買ったが、
国内線と1泊分の宿代を差し引いたら、
ケープタウンから乗っても料金はそう変わらなかったのでなかろうか?
まあいいか…、過ぎたことをネチネチ考えても仕方がない。

本を1冊読破し、映画を1本観て、機内食を3回食べ、
何度か仮眠をとるとブエノスアイレス(アルゼンチン)に着いた。

 

ついに南米大陸!

41ヶ国目「アルゼンチン」

ここから旅の第四章「南米編」がはじまる。
タラップを降り、ギラっとした太陽と対峙する。
気温35度、暑い…!

片道チケットのため、懸念していた入国審査もスムーズに通過。
南米はスペイン語圏、ぎこちなく
「グラシアス(ありがとう)」と言ってゲートをくぐった。
幸い飛行機で日本人と一緒になったので
割り勘でタクシーを利用し、
お目当て宿まで直行することにした。

「ちょっとお金下ろしてくるわ」
空港のATMに走り、スペイン語に苦戦しながらパネルを操作したが
貯金を引き出すことはできなかった。
カードの相性が悪いのか、ATMにお金が入っていないのか?
ならばと両替所でドルキャッシュをアルゼンチンペソに替え、
待たせていたタクシーの乗り込んだ。

このあと8軒連続で宿は満室…。
まったく聞き取れないスペイン語の伝言リレーの果てに
ようやく1軒の宿に滑り込んだ。
「南米ってしんどいね…」
長いフライトと宿探しに消耗しきった顔で呟いた。

幸先の悪い南米の旅、
そしてこの後、本当の悪夢を知ることになる…。

 

旅のカケラ/slideshow

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