塩の教会

奇跡の復活!
歯は相変わらず泣きたくなるほど痛いが
身体のだるさは取れた。

 

今日こそ、コロンビア観光を

カーテンを開けると青空が目に入った。
行くか。昨日を取り返しに出かけよう。

コロンビアに入って4日目、
まだボゴタの旧市街を少し歩いただけである。
別の意味で印象深い国になっているけど
いい思い出も作っておきたい。
観光、敢行!

行き先は「シパキラ」。
首都ボゴタから約40km離れた隣町。
この町は岩塩洞窟が有名で、その中に『岩塩教会』がある。
神秘的で惹かれるなぁ。

 

シパキラを目指して

まずは大通りに出てトランスミレニオと呼ばれる
2連式のバスを利用した新交通システムに乗った。
切符(約60円)は磁気カードで入口でこいつをかざす。
要するにスイカやパスモと一緒。
東京の地下鉄並みに路線が多いので
「ポルタル ノルテ」と行き先を紙に書き
駅員に確かめてから乗車した。終点だったので助かった。

ポルタル ノルテからはバスに乗る。
幸いシパキラ行きは頻発していてすぐに乗車できた。
シパキラまでは約1時間、運賃は3400ペソ(約140円)。
読みかけの『空中ブランコ』に没頭しているとすぐに着いた。

降りがけに運転手が
「カテドラル、あっち、ずっとずっと真っ直ぐ」
とスペイン語で教えてくれた。グラシアス(ありがとう)。
言われた通りにまっすぐ進んだが案内表示も出てこない。
不安になり、人に尋ねてみようとしたが
ガイドブックには地図がなく、
しかも『岩塩教会』と日本語で書いてある。
もう…!?

塩はサルで、教会はカテドラル、
じゃあ“カテドラル デ サル”とでも言ってみるか。
驚くほど簡単に通じた(笑

 

塩でできた教会

ずっと坂を上っていくと目的地にたどり着いた。
入場券は15000ペソ(約600円)。
入場は15人くらいが1つのグループになり
ガイドが付き添ってくれる。
もちろん解説はスペイン語。
少し歩いては5~10分の解説が入り、
当然理解できないからあくびをしながら一番後ろにいた。

洞窟内はひんやりしていて気持ちいい。
いたるところに岩塩を削って造った精巧な十字架があり、
礼拝堂や塩の彫刻も立派だ。
静けさと間接照明の妙も手伝って
ますます神秘的な雰囲気を醸し出している。
ガイドの話があまりに長いのでこっそり列を抜け出し
勝手に単独行動を取ることにした。ごめんね。
言葉は通じないし、はぐれたことにしてしまえ(笑

 

 

ダンジョン攻略

洞窟内は迷路。
どこまでもどこまでも坑道が伸びている。
それでも奥へ奥へと進んでいくと
巨大な十字架が掲げられた一番大きな礼拝堂に出た。
天井も高く、空気は一層冷たい。
地下120m!
よくぞこんな場所に教会を造ったものだと感心させられた。

しばしベンチに腰掛け、神聖な空気の中に身を置く。
ほのかな明かりが人影に揺れて、
今にも賛美歌が聞こえてきそうだ。
心落ち着く場所、深い深い地下の教会で
祈りに似たため息をこぼした。

ここでまたピリオドを1つ。
コロンビアの旅も、南米の旅もここで幕を閉じる。
神聖で、とってもいいゴールだった。

残すは最終章『中米編』。
明日はパナマへと飛ぶ。

 

旅のカケラ/slideshow

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