最果てのサファリ ~パタゴニア6日目~

FIN DEL MUNDO(世界の果て)と呼ばれ、
地球上で最も南に位置するウシュアイア。

マルティアル山脈を背後に頂き、
眼前には「ビーグル水道」を望む。
積雪に備えた切妻屋根を持つ木造の家々が美しい。

 

ビーグル水道

 

ビーグル水道は大西洋と太平洋をつなぎ、
1830年のフエゴ島南部の調査で、
英国海軍ビ―グル号の航海士によって発見された。
その2年後にチャ―ルズ・ダーウィンが同船し、
先住民や動植物の記録を紹介したことで有名になった。

今日はそのビーグル水道クルーズに出かける。
昨日の晴天とは打って変わって雨…。
パタゴニアに来てからというもの、
ここぞ!ってときに必ず雨が降る。
雨が多い時期だから仕方ないのだが、
これじゃせっかくのツアーも楽しみが半減しちゃうよ。

 

ロス・ロボス島

 

午前9時半、
クルーズ船に乗り込み、サロンのような豪華な船内でくつろぐ。
宿から桟橋に行くのにタクシーが捕まらず、
すっかり雨に打たれてしまった…。
ブルブルと身体を震わせながら、温かいマテ茶をすすり、
ツアーのパンフをめくる。

ビーグル水道には、
オタリアの生息する島(ロス・ロボス島)やペンギンコロニー、
エル・クレール灯台などがあり、
これらを遊覧船観光するのが本日のメイン。
その後、ハンバートン湾から上陸し、
ウシュアイア最古のハンバートン牧場を見学するとか。
所要時間9時間のロングツアーだ。

そうこうしているうちにロス・ロボス島が見えてきた。
デッキに上がり、カメラを構える。
雨はあがったが風は冷たく、
ここが南極への入口であることを実感した。

オタリアとはアザラシの一種で、
フガッ、フガッ、フガッと、雄たけびのような声で鳴いていた。
ずんむりとした体型、手足のヒレを器用に動かして
地面を這って歩く姿は滑稽だった。

↑ボスらしきオスは、髭をたくわえなんとも偉そう

 

ビーグル水道の終点

無数の海鵜が生息する島、
絵葉書によく登場するエル・クレール灯台、
チリ側の世界最南端の町「プエルト・ウイリアムス」を通過し、
(最南端っていくつあんのよ…)
ビーグル水道の終点に近づいていく。

 

船内ではガイドが舌をまくしたてていたが、
スペイン語のため内容は全くわからない…。
ま、いいか。この景色を焼付けおけば。
テンションが上がったのがペンギン島。

つい1週間ほど前に
南アフリカでペンギンビーチを訪れたばかりだが、
メタボな体型で、手(?)を広げてヨチヨチ歩きする姿は
見ていて飽きない。
ところが水中に入った瞬間、
今までの動きが嘘のようにジェットエンジンで泳ぐ!!
このギャップもたまらないね。
かじかむ指先でシャッターを切りまくったさ。
最果てのサファリは
プチ南極を体験させてくれて楽しかった。

 

ハンバートン湾

やがてハンバートン湾に到着し、
クルーズ船を降りて牧場を見学することになった。
運悪く再び雨が落ちてきた。
ダウンは着てきたものの、下はタイパンツにサンダル…。
欧米人に「それはビーチスタイルだよ」と笑われ、
足の親指をクネクネさせながら寒さと闘った。

ところがここで登場したガイドは話が長い!
英語だったからちょこっとは内容が頭に入ったが、
牧場と羊毛工場だけで2時間はないっしょ…。
寒い、寒い、サブイ…と、何度も心が折れそうになった。

寒!牧場から先はバスでの移動。
魔女の森のような景色はビーバーの森。
彼らが木々を枯れさせてしまったという。
ビーバーにはディズニーなイメージを抱いていたが
ここまでやるとは恐ろしい…。

 

フラッグツリー

次はお待ちかねの「フラッグツリー」。
湖から吹き上げる強風で、旗のようになってしまった木々。
風が吹いてなくても台風の真っ只中にいるような姿。
ここで挑戦したいことがあった。
木に飛びつき、あたかも風で飛ばされてるかのような
写真を撮りたいのだ。

カメラを託し、何度も木に向かって横っ飛びを繰り返す。
ここでも欧米人は「日本人はおかしい…」と笑っていた。

↑うわぁ、、、飛ばされる~

↑だ、ダメだ~

 

最果てツアーの果てはハスキー犬だった。
そこでは30頭近いハスキー犬が飼われていて、
なぜか彼らの小屋はドラム缶。
切な気にこっちを見ていた瞳が悲しかった…。

午後7時、ツアー終了。
こうしてパタゴニアの旅は幕を閉じた。
帰り際にカフェに立ち寄り、ショコラテで暖をとった。

FIN DEL MUNDO(世界の果て)ウシュアイア
いい場所、いい時間だった。ありがとう。
この“果て”から南米の旅をリスタートしよう。
明日、ブエノスアイレスに戻ります。

 

旅のカケラ/slideshow

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