プリズンブレイク

南アフリカのケープタウン。
まだ、やり残したことが1つある。
それは「ロベン島」。

 

ネルソン・マンデラ

ロベン島は、ウォーターフロントから約14km、
フェリーで約30分のところに浮かぶ島。
アパルトヘイト時代に主に政治犯が収容されていた
黒人専用の刑務所島。
あのネルソン・マンデラ氏も収容されていた場所である。

1959年の開所から、
1991年に最後の政治犯が釈放されるまで
政治犯が収容された。
刑務所は1996年に閉鎖され、
現在は島自体が博物館となっていて
ユネスコの世界遺産にも登録されている。

 

ロベン島へ

先日入手したチケットは、フェリーの往復に加え、
現地でのバス移動、刑務所(博物館)への入場料、
そしてガイド代が含まれていて180ランド(約1800円)と
とてもお得な内容。
ガイドブックには「人気ツアーなので早めの予約が必要」
と書いてあったが、実際にフェリーに乗ってみると
船内はガラガラ…。あれれ?

 

島まではエアコンの効いた快適な移動。
海も凪で、すぐにウトウトし始めてしまった。
島に着くとすぐにバスの乗車させられ、
名所を巡りながらガイドの説明が繰り返された。

 

退屈なツアー

はじめのうちは英語の単語を拾っては、
ふむふむと頷いていたが
次第に違和感を感じ出した。
あれれ、バスから降りれないの…?
そう、バスで2~3分移動しては、
話し好きのガイドが10分以上をまくしたてる。
ところどころアフリカンジョーク(?)が盛り込まれているようで
ハハハ!!と、車内が笑いに包まれた。
もちろん分からないからキョロキョロしながら
しかめっ面でガイドを見つめていた。
たのむよ、降ろしてよ…。

じっとできない性質なので、
退屈しのぎに窓からカメラを突き出し
写真を撮っては、隣の席のヒロとおしゃべりをしていた。
すると、ガイドが
「話中はじっとして!私語も厳禁!!

 

しゅ~ん……。
まったく自由行動がないこのツアー、
これじゃ、自分たちが囚人みたいじゃん!

 

 

刑務所に入る

刑務所内の見学は、元囚人という男性がガイドをしてくれた。
それにしても英語がわからないって致命傷だね…。
長い話を拷問のように聞き、
写真を撮りたくてウズウズしながら
こっそりとあくびをしていた。
「もう帰りたいな…」
せっかく島に来たのに、せっかく世界遺産なのに(泣
心の中でプリズンブレイク(脱走)を企んでいた。

アフリカ最後の観光はちょっと空振り?
でも、お茶漬け感覚でサラっと終わった。
帰りのフェリーもぐっすりと夢の中。

 

さらばアフリカ

さあ、飛行機の時間は近い。
ヒロに、昨日から借りっぱなしのレンタカーで
空港まで送ってもらい、
「日本で会おう!」と、
最後の握手を交わした。
ドラマのワンシーンみたいだな…(笑

そう思いながら、背中越しに手を振り
大きな声で「GOOD LUCK!」を空に叫んだ。

空港って、別れを最大限に演出してくれる。
ケープタウンからヨハネスブルグへ
まずは2時間の空の旅。

さらば友よ、さらばアフリカ。
明日からは旅の第四章『南米編』がはじまる。

 

旅のカケラ/slideshow

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