ハルタビ ’23(イギリス編) ♯09 Stand By Me

イギリス連合王国を成す4国のひとつ、ウェールズ。
その首都カーディフは、政治・ビジネス・文化の中心である。
今日も同じホテルに連泊するので、
時間を気にせず、じっくりと観光ができそうだ。

 

ウェリッシュフルブレックファースト

もちろんここウェールズも独自の朝食がある。
地図を見ると、目的の店までは2kmほどあったが
散歩がてら歩いていくことにした。
今日も快晴で、朝の空気が気持ちいい。

「Elmers Take a Break Café」は口コミサイトで見つけた店で
住宅街の中にポツンとある、まさしくローカルな店。
扉を開けると、優しい雰囲気がにじみ出ていた。
「お、日本人かい?」と、ちょっと珍しそうな顔をしている。

「ウェリッシュフルブレックファースト」(5.25£/約900円)
と、お手頃価格で、コーヒーもセットで付いていた。
相変わらずのボリュームと、代り映えのしない料理。
間違い探しのように記憶をたどったが、
他との違いを見つけられなかった。
日本に帰ったら、5カ国の写真を並べてみよう。

 

カーディフ城とドラゴン

バスに乗り、ホテルの近くまで戻ってきた。
午前10時なので、ちょうどカーディフ城が開いたころだ。
ホテルから徒歩5分で、立派な城壁が見えてきて、
城内以外は無料ゾーンにようなので、城壁をくぐってみる。

カーディフ城の歴史は、2000年ほど前にさかのぼり、
1世紀にローマ人が造った砦の上に
ノルマン人が要塞を築いた中世の城と、
15〜19世紀に建てられたビクトリア朝の
ゴシック様式の邸宅が組み合わさっている。

「天空の城ラピュタ」のモデルになったとも言われているが、
この手の話はたくさん転がっていて、
一番信憑性が高いのは、シリアにある十字軍の城
「クラックデシュバリエ」だと信じている。
あの天空感は、ラピュタそのものだったし…。

まず目に飛び込んでくるのが赤いドラゴン。
ウェールズのシンボル(国旗にも描かれている)で、
アーサー王のシンボルとされている。
中世の城とドラゴン、完全にRPGの世界だ!

春を迎えた城は、小さな花やたんぽぽの綿毛がたくさんあり、
堀にはカモが優雅に泳いでいた。
旅の終盤にぴったりな長閑で、フォトジェニックな光景。
しばらく時間を忘れて、のんびりと過ごした。

 

アーケードがある街

首都カーディフは、産業革命期に繁栄した面影を随所にのこす街で、
中でも名物といえばアーケードである。
1887年に建てられた2階建ての
キャッスル・クォーター・アーケードをはじめ、
個性的なアーケードが連なっている。

Queens Arcade、Duke street Arcade、High St Arcade、
Wyndham Arcade、Royal Arcade、Morgan Arcade、
通りごとに雰囲気も売られているものも異なるので、
歩いているだけで楽しい。
今日は1日中、アーケードめぐりをして
買物とカフェを満喫するプランだ。

古本屋でパズルを、雑貨屋で骨董品の人形を買い、
「Fabulous」で、ウェールズの伝統菓子のウェルシュケーキを食べた。
こんな何気ない1コマが旅の思い出を色濃くしてくれる。
絶景を見るよりも、美食を味わうよりも、
日常の中にこそ旅の面白さが詰まっていると思う。

カーディフ・マーケットにも立ち寄った。
ビクトリア朝様式の屋内中央市場で、1891年にオープンした市場。
レトロで活気のある場所で、ちょっとアジアの香りがした。
ここにも日常がたくさん詰まっていて、
夢中でシャッターを切り、動画を撮った。

 

ウェールズの食事

街歩きのもう楽しみはカフェめぐり。
名前は忘れたけれど、2軒のカフェに立ち寄った。
さすが本場という感じで、最高のロケーション。
アフタヌーンティをしている叔母さまもいて、
優雅な時間が流れている。

レトロなアーケードにある、
ヴィクトリア調のカフェ。
これ以上贅沢な時間はなかなかないだろう。
東京のどんなおしゃれなカフェよりも本物だから。

今日の締めくくりはやはりパブ。
ウェールズは観光情報がほとんどなかったので
直感で「PITCH」に入ってみた。

郷土料理が食べたかったので
「カウル」(10£/約1700円)を注文。
子羊と季節の野菜がたっぷり入ったシチューで、
焼きたての厚切りパンも付いてきた。
いい塩加減で、お肉もほろほろで旨い。

雨が降ってきたー。
シトシトと、街を洗うようだ。
このイギリス旅は毎日雨を覚悟していたが
驚くほど晴天が続いていた。
天気運はいつも強いが、
雨の多いイギリスでも通用した。

いよいよ残りは1ヶ国か…。

詰め込んだ毎日の最後はロンドンへ。
長閑なウェールズとは真逆の大都会が待っている。

 

旅のカケラ/slideshow

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