ハルタビ ’23 (イギリス編) ♯01 A Day In The Life

9ヶ月前に購入したロンドン行きのチケット。
行先を決めずに安いチケットを探したところ、
オマーンやバヌアツ、ギリシャなどが挙がったが、
悩んだ末にロンドン(イギリス)行きを決めた。

 

100の国を超えて

マレーシア航空で、たしか14万円くらいしたので決して安くはないのだが、
その当時、中華系はゼロコロナ政策で全滅だったし、
いつも利用していたアエロフロート(ロシア)も戦争で飛んでいないため仕方がない。

コロナの影響もあり、歴訪国は97のまま3年ストップしていたが、
久々に国数が増えるし、しかもロンドンを起点に計5カ国を巡れるので
目標だった100カ国を超える!
出発の今日までがとても待ち遠しい時間だった。

ただ、旅に出るまでの準備期間が一番楽しく、
パズルのように航空券を継ぎ足しては、
何度もプランを練り直し、どんな一筆書きが完成するのかを
ずっと頭の中で思い描いている。
iPadに書き綴った計画書は実に100頁を超えた…。

 

長い旅路のはじまり

午前6時、重たいスーツケースを引きずり、
空港へと向かう。
いつもはバックパックなのに、なんだか変な感じだ。
朝の澄んだ空気が気持ちよく、
これからはじまる旅に足取りも軽い。
通勤客に交じって、非日常の世界へと旅立つ気分はまた格別なんだなぁ。

10:20発のMH89。
まずは成田からクアラルンプールへの7時間半のフライト。
出発間際に嫌な仕事のメールが届いて出鼻をくじかれたが
見なかったことにして機内に乗り込む。
狭いシートに身体を押し込み、心を無にしてぼんやりと過ごした。
「心を無にして」というのが長時間フライトのコツで、
モニターに映るフライトマップを何も考えずに眺めていると、
これくらいの時間はあっという間に過ごせる。

クアラルンプールに着くと、一目散にSamaSama Loungeに向かう。
最近はマレーシア航空を頻繁に使っているので、
すっかり行きつけのラウンジとなっている。
得意げにプライオリティパスを出し、
高いクレカの年会費を払っている対価を享受する。
カードの見た目は同じだが、
同伴者2名まで無料という最高ステージのパスなので
所有欲もひとしおだ。

 

答え合わせ

シャワーを浴び、食事をし、束の間の3時間を過ごした。
さて、本当の闘いはここからだ。
実は大きな問題を抱えていて、その答え合わせをしなければならない。

ロンドンに着いたら、すぐにアイルランドに飛ぶため
ブリティッシュエアウェイズのチケットを買い足してある。
余裕をみて、到着から5時間後に出発するチケットにしておいたのだが、
早くにロンドン行きの航空券(マレーシア航空)を取っていたため、
その間に3度のフライトスケジュール変更があった。
その度にロンドンの到着時間が遅くなり(つまり乗り継ぎ時間が短くなり)、
最終的には2時間の乗り継ぎ時間となってしまった。

大抵の空港なら2時間あれば乗り継ぎには充分なのだが、
世界第2位という規模のヒースロー空港は、
ターミナルが5つあり、今回はターミナル間の移動にバスを使い、
約30分の移動時間が必要なようだ。
航空会社が違うため預けている荷物を一度ピックアップする必要もあり、
さらに入国と出国の手続きもある…。
ネットで調べても、「2時間では絶対無理」と書かれていた。

さらに悪いことは重なるもので、
空港内の出発掲示板には「ディレイ」の文字が!
23:30にクアラルンプールを出発する予定だった飛行機が
日付が変わった0:10の出発予定に変わっていた。
ここにきてさらに40分のロス、
乗り継ぎ時間はわずか80分…。もう絶望的な状況だ。

 

長い夜の先へ

MH2、0:10クアラルンプール発のロンドン行きは、
フライト時間は13時間半。
7時間半乗ってきた直後に、半日を超えるフライトは初めての経験だ。

この先の乗り継ぎが気になり、
読書や映画をみる気分にもなれず、
ほぼずっとフライトマップを凝視して、
少しでも到着予定が早まらないかと、
到着予定時刻を追い続けた。

それはとても長い夜だった−。
最高の結果と最悪な結果を想像し、
最悪な結果が訪れた場合にどうリカバリーするかを考えた。
今から行き先を変えると、その後の航空券やホテルがすべてパーになるし、
最短で5カ国を巡るルートはこれ以外になかった。
アイルランドが島国なのでロンドンから飛行機でしか行けないのは
排除すべきリスクだったが、それでもこれが
旅の醍醐味と言えるチャレンジだし、だから面白い。

まもなく夜明けだ。
時差があり、もう本当の今がいつなのか曖昧な中で
不安と希望をごちゃ混ぜにして微睡んでいた。

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