ハルタビ’17(バルト3国編) #5 眠り姫

8:30発のLux Expressの国際バスに乗り、
タリン(エストニア)を後にした。

たった1日だったけど、
城壁に囲まれた旧市街を満喫できたし、
今度また訪れたい国が増えた。

 

ラトビアへ移動

バスのチケットは事前にネットで購入しておいた。
以前なら、バスターミナルに行って時刻を調べていたが、
ずいぶんと便利な時代になったものだ。
バスはすこぶる快適で、なんとWi-Fi完備。
車窓には北海道のような牧歌的な景色が流れている。
そして4.5時間後、新しい国に降り立った。

86ヶ国目、ラトビア
(この旅5ヶ国目)

バルト海の真珠と呼ばれる所以は、
リガ旧市街の美しさにある。
ドイツ騎士団による占領の影響もあり、
中世ドイツの街並みに近いと言われていて、
街全体が世界遺産指定されている。

 

バルト海の真珠

リガの街は13世紀初めにドイツ人によって築かれた。
1282年にはハンザ同盟に加わり、
ロシアとヨーロッパを結ぶ貿易拠点として繁栄。
そのため、ロマネスク、ゴシック、バロックなど
様々な建築様式が融合し、カラフルで美しい街並みが残っている。

石畳の道は、つるつるで滑らか。
とても長い年月を人々が歩いてきたのだろう。
タリンの旧市街よりもずっしりと重たい、
それがファーストインプレッションだった。

なんでもない通りや細い路地も
非常に趣があって歩くのが楽しい。
地図はほとんど役に立たず、
何度も迷子になりながら
道を覚えていくのが正解のようだ。

さて、まずは腹ごしらえのため、
目星をつけておいた水餃子の店へ。

「XLペルメニ」
モンゴルや中央アジアではよく水餃子にお世話になった。
羊肉を使うことが多いのでややクセがあるが、
ボリュームがあって美味しい。
国ごとに呼び名は変わるが、
ここラトビアではペルメニと言うようだ。

この店はセルフスタイルで、
7種類ほどのペルメニを好きなだけよそって
最後に重さを量り、お金を払う。
わりとたっぷり盛り付けたが500円くらいだった。
トマトソースとよく合い、パスタみたいで美味しかった。

 

今日もいい天気だ

今日も青空で、澄んだ空気が気持ちいい。
旅先の晴れ率は99%くらいの自信がある。
教会や大聖堂のとんがり屋根が青空によく映える。

たぶん、同じ場所なんだけど、
似たような景色をまったく見飽もせずに
何度もカメラに収めた。

長い映画を観てるような、
絵本の世界に迷い込んだような、
不思議な気持ちと、
わくわくした気持ちが混ざりあって、
とても心地がよかった。

このくすぐったいような感覚に触れたくて、
ずっと旅を繰り返しているんだろうな。

昨日と同じく、雑貨を買い漁り、
カフェで紅茶とケーキをたのしみ、
地元の料理が食べられそうなレストランを探した。

ニットが有名な国でもあって、
ミトンやマフラーなど
なかなか素敵なものが揃っていた。
悩みに悩んでニットのコートを買ってしまった。
9ユーロ値切って90ユーロ、約1万円。
今年の秋に着ようと思う。

小さな街だったので、だんだん道を覚えてきた。
見覚えのある建物を目印に、
まだ通っていない小道はないかと精力的に歩き、
どんどん頭の中の地図が完成に近づいていく。
きっと何年か後に訪れたとき、
勝手知ったる街として脳裏に刻まれているだろう。

 

光の中のリガ

今日は旧市街のど真ん中にホテルをとってある。
それは夜の街並みを撮りたいから。
日の入は21時くらいなので、
23時くらいが狙い目だろうか。

そうしているうちにだんだんと日が傾き、
夜が近づいてくる。
23時を少し過ぎた頃、
カメラを片手に外に出た。
風が冷たい。

けっして派手ではないが、
幻想的なイルミネーションが街を彩っていた。
パブのような店からは明かりが溢れ、
賑やかな声が聞こえてきた。
なんだか幸せそうで、心がほっこりとする。

慣れた足取りで路地を抜け、
その角の先にある景色に胸を躍らせながら
いつまでも歩き続けた。

 

旅のカケラ/slideshow

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