ハルタビ ’16(ペルシャ編) ♯11(fin) 銀河鉄道の夜

 

帰国便のトランジット地はカタール。
乗り継ぎに13時間もあるから、
アライバルビザを取って街に出てみた。

82ヶ国目、カタール
(この旅の3ヶ国目)

 

世界一退屈な街と言われるカタールの首都ドーハ。
気温は40°C近く、海が近いためか湿気も酷い。
旅に出て9日目、空港に連泊の疲れもあり、
けっこうギリギリの闘い。
今夜も機内泊だし、早くベッドで横になりたいものだ…。

それでも新しい国にワクワクさせられ、
重たい荷物を持ったまま、街を散策する。
(空港でロッカーやクロークを探したが
“無い”と言われてしまった)

 

最初に向かったのはカタラ文化村。
「ダブ・コーツ」という印象的なモニュメントがあり、
鳩小屋がモチーフらしい。
同じ敷地内にあるモスクでは礼拝が行われていた。

 

そろ~り、とお邪魔し、カメラを指差しながら、
撮影していいかと、目で訴えかけてみると、
うんうん、と頷いてくれたので
すぐ隣に座って撮影をさせてもらった。

 

人口が少ないためか、
タクシーをなかなか見かけない。
歩いていればそのうち、と歩いてみたが、
結局1時間歩いても
タクシーを捕まえることができなかった。
40℃近い気温に加え、
20kgを超す荷物がうらめしい。

 

 

ドーハの街は砂漠の国なのに、
高層ビルが建ち並ぶ異常な光景。
まるで未来都市を目の当たりにしているようだ。
2022年のサッカーW杯に向けて
まだまだ建設中のビルが目白押しで、
たぶん世界一発展中の国だろう。

砂漠の真ん中にあるコンクリートジャングルを歩くのは
なんだかおかしな気分だった。
乾いたイランとは違い、とにかく汗をかく。
海からのねっとりと湿った風が容赦なく体力を奪う。

 

旅をしてる、
だから身体が悲鳴をあげても前に進める。
マラソンやスポーツと同じで、
しんどいけど、それすら心地よく思える魔力がある。

特に今回はたくさんの旅人と出会い、
行動をともにしてきた。
これまでに訪れた国の話し、
目の前の光景、まだ見ぬ異国への憧れ、
尽きない話をしながらそれぞれの旅を反芻し合って
やっぱり旅が好きなんだな、と共感し合った。

 

もうダメだ…、と身を投げ出し
木陰の芝生に仰向けになった。

空が青い。
草の匂いがする。
緑が揺れて、
そこから差し込んだ木洩れ陽に
目を細める。

ふいにアザーンが流れ、時計をみた。
この旅の残り時間もあと僅かだ。

 

イスラム芸術ミュージアムは
気品漂う真っ白の外観との繊細なデザインが印象的で
海に面して建っていた。
入場は無料というのも驚きだった。
コレクションは、7世紀から19世紀のイ
スラム芸術の数々で、
時代ごとに部屋から部屋に展示され、
順を追ってイスラムの歴史を
紐解いていくようだった。

 

陽がどっぷりと暮れたころ
スーク・ワキーフに辿りついた。
狭い迷路のような通路がくねくねと連なり、
アラブの衣装を身にまとった人たちで
溢れかえっている。

バーザールで旅がはじまり、
スークで旅が終わる。
ペルシヤからアラブへと景色は変わった。

 

夜の市場はますます幻想的で、
中世の隊商宿に迷い込んだように
ふわふわと夢を見ているような気分。
水タバコの甘い香り、すれ違うアラブの衣装、
店先にはランプや短剣、
色とりどりのスパイスが並ぶ。

イラン、トルコ、カタール。
最後は賑やかで、きらびやかな光の中
この旅のラストシーンを迎えた。

この旅ではたくさんの優しさに触れ、
生かされていることを知り、
数えきれない「ありがとう」をもらった。

 

ハローグッバイ、ワンダフルワールド!
いつか心が渇いたら、またここに来ます。

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