アキタビ ’22(インドネシア編) ♯01 DANCING SHOES

およそ3年ぶり、旅に出る―。

重い荷物を担ぎ、午前6時に家を出た。
早朝のどこか青くさい空気が気持ちいい。
人もまばらな休日の電車、いつもと同じ空間なのに
心はこんなにも軽い。
成田空港までは1時間半ほどかかるので、
このもどかしい距離が旅のはじまりを感じさせてくれる。

成田空港第2ターミナル。
コロナの過渡期から、徐々に活気を取り戻しつつあるようで、
チェックインを待つ列が伸びていた。

 

 

10:20発MH89

今回選んだエアラインはマレーシア航空。
コロナの影響で、中国便がなくなり、
ウクライナ情勢の影響で、ロシア便がなくなった。
さらにLCCも減便されているため、
安く海外へ手段が極めて少なくなってしまっている。
そんな中、7万円で見つけたこのチケットはラッキーだったかもしれない。

機内に乗り込み、フライトマップを眺める。
知らない地名を追いかけながら飽きずにずっと見ていられる。
2回の機内食を食べ、まずはクアラルンプールへと降り立った。
異国の香りと、アジアのねっとりとした風が懐かしい。
あぁ、ようやく戻って来れた! と、心が躍る。

乗り継ぎは翌日のため、今夜はクアラルンプールで1泊。
直行便で目的地にひとっ飛びもいいけど、
回り道をしながらの方が好きで、
1回の旅で複数の国を巡れるのはお得な気分になる。

 

他民族多文化のマレーシア

 

ホテルに荷物を置くと、外はすっかり暗くなっていた。
近くにチャイナタウンがあるようなので、そこで夕食にしよう。
ラクサか、肉骨茶(バクテー)が食べたいな。
ガイドブックは持ってきていないので、勘を頼りに歩く。
見知らぬ路地を抜け、30分ほどさまよって目的地にたどり着いた。

 

よく見るアジアのマーケット。
おそらく偽物だろうブランド品が並ぶ。
昔と違ってしつこく声をかけられないのは
コロナが生んだソーシャルディスタンスなのだろうか?
残念なことにラクサも肉骨茶もなかった。
屋台の人に聞いてみると、
もっと違うエリアに行かないと食べられないという。
せっかくなのでタクシーで連れていってもらうことにした。

車で15分ほどの場所に飲食店が立ち並んでいる区画があった。
どこの店も「肉骨茶」の看板が掲げられている。
中でも人気だという「新峰肉骨茶」に入り、
Bak Kut Teh Orijinalを注文した。
23リンギットなので、およそ800円。

 

マレーシアの代表的なグルメ

マレーシアのバクテーは「黒バク」と呼ばれ、
醤油ベースのため黒く、肉はたくさんの部位が入ったMIXタイプ。
漢方のクセはそれほどなく、味に深みがあって食べやすい。
ちなみにニンニクと唐辛子は好みで後入れ。

ここは老舗肉骨茶店で、1971年創業だとか。
観光客だけでなく、地元の人も集っているのでやはり名店なのだろう。
しっかりとスープを飲み干し、旅の初日を締めくくった。

このままタクシーで帰るのは味気ないので、
モノレールを使って自力でホテルを目指すことに。
「タクシー禁止」、1つ自分ルールの制約を設け、
旅というゲームの難易度を調整する。
忘れていたけど、こんな些細な遊びが旅の醍醐味だったりもする。

旅のカケラ/slideshow

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