フユタビ ’19(台湾編) ♯05 少年であれ

今日はこの旅のハイライト。
まずは8:30発の強号(特急)に乗り、
高雄車帖→屏東へと移動した。

 

冒険がはじまった

屏東に着くとバスターミナルに向かい、
「霧台」行きのバスを探した。
1日に3便しかなく、
時刻表が変わっていないといいが。

窓口で聞いてみると9:30のバスがあるという。
よかった、ネットの情報通りだ。
運賃は145元(約500円)で、
90分ほどかかるそうだ。
途中、検問があるのでパスポートを忘れずに。

まだ新しい屏東バスターミナル。
大型バスに混じって小さなマイクロバスが現れた。
ひどく違和感を覚えたが、
秘境に行く感じがして微笑ましい。

バスに揺られながらうとうとしていると、
車窓の景色はいつしか絶景に変わっていた。
左右に大きく弧を描きながら、
山道を登っていく。
切りたった渓谷と、
ルカイ族の壁画が目に飛びこんでくる。

 

霧台のルカイ族

終点の霧台に着いた。
静かな集落で、鳥の囀りが桃源郷感を出している。

屏東県にある霧台郷は、
屏東で最も標高が高い場所。
ルカイ族の住む村として知られ、
佳暮、大武、吉露、阿禮、好茶、そして霧台と6つの集落がある。

集落のいたる所にカラフルな壁画が施され、
ときおり民族衣装を着た住民が歩いている。

町のシンボルは「基督長老教会」。
独特なデザインで、遠くからも目を引く。
この地域はキリスト教徒率がかなり高く、
中でもプロテスタントを意味する
「基督」の長老派教会は最も多いようだ。

 

石板の家

教会を回り込むように
集落をさらに上にのぼる。
「石板巷」という通りには、
ルカイ族の伝統家屋である石板の家がずらりと並んでいる。
平たく切りだした石を、積み重ねて造りだされる、
独自の家屋だ。

見晴らしの良い高台にお店を見つけた。
「摩凱珈琲」というカフェで、
切りたった断崖にカウンター席がある。
地元のお酒を使った「小米酒愛玉」(約170円)というゼリーを注文し、
絶景を眺めながら涼をとった。

小さな集落をあてもなく歩き、
長閑で、御伽の世界のような景色を楽しんだ。

ずっとどこかで見たことのある景色だなぁ、
と考えていてようやく思い出した。
パキスタンのフンザだ。

風の谷のナウシカのモチーフと言われていて、
ここと同じように圧倒的な山々に囲まれた、渓谷の町。
蝶が舞い、鳥たちが囀っている。
夢の中にいるようで、
心がくすぐったくなるようなフワフワした世界。

台湾にもこんか秘境が残っているとは…。
きっとまた、何度でも訪れたくなる場所だ。

小さい頃、
冒険だ!と言って、
野山を駆け回った記憶。
あのときと同じ気持ちにさせてくれるから、
旅は最高に面白い。

 

旅のカケラ/slideshow

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です