焼肉とサッカー

 

“魔の急カーブ”でバスの車体は大きく傾いた。

そこは、ブエノスアイレスの中でもとりわけ治安が悪いと言われる
ボリビア人街を抜けるカーブで、
運転手は逃げ出すようにスピードを加速して
このカーブを突っ切るという。

 

危険!?ボリビア人街

「今日は日曜日だから、
絶対にボリビア人街には行っちゃだめよ!」

宿を出るときに管理人さんに口酸っぱく言われた。
この“魔のカーブ”がボリビア人街から韓国人街に入る合図で、
ここでバスのブザーを押せばナイスタイミングだそうだ。
ブー!車内に鳴り響くブザー。
お目当ての韓国人街でバスは停車した。

ここに来た理由は1つ。
「安くて美味しい焼肉が食べたい!」
40ペソ(約1200円)で焼肉食べ放題の店があるのだ

 

焼肉店

集団行動は日本人のお家芸。
11人の大集団で焼肉店に討ち入りした。
出るわ、出るわ!!
山盛りの肉に、イカ、エビ、生牡蠣(これ魅力!)…
韓国のり、キムチ、玉子焼き、揚げ魚、きな粉餅(なぜ?)、
ぐつぐつと沸騰したクッパも!!
テンション上がりまくりで、2時間くらい食べ続けたね。

ただ、アルゼンチンに入ってから
毎日のようにステーキを食べていたので、
肉の有り難味が薄かった…。
だって、100円も出せば
立つくらい分厚いサーロインが食べられるんだもの。

 

南米サッカー

たっぷり食べた後はサッカー観戦。
アルゼンチンと聞いて真っ先に思い浮かべるものと言えばサッカー。
これは外せないマストな観光スポットでしょ?

「リバープレートvsバンフィールド」
リバープレートのホームカードだ。
過激なサポーターが多いせいか、警備は厳重だった。
スタジアムに入るまでになんとボディーチェックが8回!
数十メートル置きにゲートがあり、1人ずつ検査された。

定刻どおりのキックオフ。
序盤はアウェーのバンフィールドが攻め込んでいた。
今までサッカー観戦はサイドの席ばかり。
ゴール裏はユニホームに身を包んだサポーターが陣取り、
太鼓やラッパの音に合わせて、試合中ずっと歌い続けていた。

リバープレートに特別な思い入れはないが、
共に拳を突き上げ、共にジャンプした。
惜しいシュートが外れると「ウゥー」と、
全員が声を揃えて仰け反る。とてもキレイな無念のハーモニー。
逆に相手のシュートをブロックすると、
太鼓の音が激しさを増し、歓喜と拍手に沸く。

リバープレートのサポーターはとても上品で、
野次はまったくと言っていいほどない。
試合も面白かったが、
サポーターたちの応援に参加できたことが一番思い出深かった。

試合は結局2-0でリバープレートが勝利した。
夕暮れから始まったゲームは、星空の下で終了の笛を聞いた。
これと同時にブエノスアイレスで過ごす時間も
ロスタイムを残すのみとなった。

冷たい風の中を駅に向かって歩く。
90分間の応援で、両足はもうヘロヘロだった。
ロスタイム、明日は何をしようか?

 

旅のカケラ/slideshow

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