ハルタビ ’23(イギリス編) ♯07 In My Life

昨夜は空港からトラムに乗り、
ホテルの最寄り駅であるHaymarketで降りた。
簡素な部屋だったが、ここ「ザ ガーズ ホテル」には2泊するので
少しのんびりできそうだ。

 

スコティッシュブレックファースト

この旅のハイライトになるだろう、
スコットランドのエジンバラにいる。
恒例の朝ごはんを目的に今日も早起きした。

だいぶ北上したせいか、気温は1桁台で息が白い。
まだ人もまばらな街を、旧市街に向けて歩いていく。
そして今日、この国が記念すべき場所となった。

100ヶ国目、スコットランド!

自分史に刻んだ一歩。あぁ長かった。
でも、達成感は驚くほど薄かった。
それはそうだろう、あくまで通過点あり、
まだまだ旅も人生も続いていくのだから。

そうこうしているうちに
「The Caley Picture House」についた。
まだ開店前だったので、店の前で待つことにした。

ここも人気のパブで、驚くほど広い店内。
クラシカルな雰囲気で、舞踏会でも始まりそうな感じだ。
それもそのはず、昔の劇場を改装した店らしい。

「スコティッシュフルブレックファスト」(5.48£)を注文。
さぁ、スコットランドの朝食とご対面だ。

 

フルボリュームからのハリーポッター

基本構成はイングランドのフルブレックファストと似ているが、
違いはスコットランド産の食材を使っていることと、味付けだろう。
ただ、アイルランドよりもボリュームは確実に増えたと思う。
朝からこの量を食べると、夕方までは確実に持つ。

今日は平日なので、出勤前のビジネスマンの姿が多かった。
これが日常という世界観は、さすがエジンバラと称えたい。

店のすぐ裏にはエジンバラ城が聳えていた。
断崖に建つ古城、圧倒的な存在感。
大きな門をくぐり、城壁の中に入っていくと、
そこはもうハリーポッターの世界だった。

 

先ほど見上げた古城に辿り着き、
今度は高台から街を見下ろした。
街には教会の塔がいくつも見えて、
映画かジオラマの中にいるような気持ちになる。
雨が多いイギリスで、今日も快晴なのは
相変わらずの天気運だと思う。

 

歴史の道、ロイヤル・マイル

エジンバラ城からホリルードハウス宮殿まで続く、
石畳の道はロイヤル・マイルと呼ばれている。
中世の街並みがそのまま残っていて
大聖堂やスコティッシュパブ、ニットを扱うショップなど、
伝統的な建物が軒を連ねる。

隙間なく建物が密集する様は圧巻で、
長い歴史から滲み出る本物感がすごい。
どこを撮っても絵力があり、何度もカメラを構えるので
なかなか前に進めなかった。

300年の歴史を持つスコッチウイスキーの博物館
「スコッチウイスキー・エクスペリエンス」や、
ロイヤル・マイルのい中心に建つ、
ゴシック様式の「聖ジャイル大聖堂」を覗き、
これでようやく半分くらいの距離を歩いただろうか。
土産店も隈なく入り、アンティークなテディベアを探していたので
どんどん時間が過ぎていく。

疲れた身体には甘いものが良い。
「ファッジ・ハウス」というスコットランド名物の菓子店に入った。
ファッジとはバターと砂糖を煮詰めたお菓子で、
地元ではタブレットと呼んでいるそうだ。

頭のてっぺんまで甘さがかけめぐる味で、
疲れがちょっと吹き飛んだ気がした。

 

J・Kローリング

少しロイヤル・マイルから外れるが、
「エレファント・ハウス」というカフェに向かった。
ここは、J・Kローリングゆかりの店らしく、
壁には世界中から集まったハリーポッターファンの
メッセージが書き込まれている。

店はシャッターが降りていて貼り紙が一枚。
「火災のため…」と、何処か違う場所に移転してしまったようだ。
少し残念だったけど、
全ては予定通りに行かないのが旅の醍醐味だ。

再びロイヤル・マイルに戻り、
ゴールのホリルードハウス宮殿を目指した。
連日のように10km以上歩いているので、足が痛い。
身体もあちこち筋肉痛で疲れ果てていたが、
それでも見飽きない景色がどこまでも歩を進ませる。

ホリルードハウス宮殿には入らなかった。
外観だけで充分見応えがあるし、
すぐ隣にあった庭園は無料だったので満足した。
ベンチに座って大きく深呼吸をすると、
今日もやり切ったなぁと、達成感が身体中をかけめぐった。

時計を見るとまだ16時、時間はある。
もうひと足延ばすかー。

 

カールトン・ヒル

ロイヤル・マイルから見えていた小高い丘。
あそこに立って、この街を見下ろしてみたい。
頂上にはトラファルガーの海戦での勝利を記念して
建てられたモニュメントがあり、
今日という闘いを締めくくるにはぴったりな場所に思えた。

 

ロイヤル・マイルから隠し通路のような小道を抜け、
丘の頂上を目指して歩く。
大きく回り込みながら上っていくので思いのほか距離があった。
次第に風が冷たくなってきて、息も切れてきた。

重たい足を動かし、階段を上る。
なんだかパルテノン神殿のような建物が見える。
展望台をくるっと一周し、エジンバラを360度見渡した。
さっきまで歩いていたロイヤル・マイルや、エジンバラ城も、
模型のように見えた。

 

世界を一周した最後は、メキシコシティのコロンブス像の前で
旅の終わりを決めた。
100ヶ国目を達成した今日は、エジンバラのカールトン・ヒルで
その旅の続きに思いを馳せた。

旅はつづくよ、どこまでも。
長い長い帰り道。
空は茜色に染まって、とても綺麗だった。

 

旅のカケラ/slideshow

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