ハルタビ ’19(中欧編) ♯3 ジェニファー

プラハからブダペストに飛んだ。
時刻は13時半、まだまだ今日は終わらない。

つい2時間前はチェコを観光していたのに、
今度はハンガリーにいるという贅沢さ。

 

92ヶ国目、ハンガリー

首都ブダペスト。
プラハから一番安く飛べる場所だったので
国数を稼ぐために寄り道してみた。
プラハよりも牧歌的というか、地味というか、旧ソ連の香りがした。

街の中央をドナウ川が流れていて、西側をブダ、東側をペストと呼び、
世界遺産の美しい街並みは「ドナウの真珠」と称されている。
まずはブダ側から攻めてみよう。

ハンガリーの首都・ブダペスト。
時代ごとにオスマン帝国やハプスブルク家といった大国の支配下に置かれ、
西洋と東洋の文化が入り混じる古都として発展してきた。

くさり橋を渡り、王宮の丘に登る。
ケーブルカーでも登れるが、
写真を撮りながら城壁を歩いて行くほうが気分が良い。

ブダ王宮は12世紀に建てられたが、度重なる戦乱で何度も修復されたのだとか。
その歴史はよく知らないが、
中世の趣きを感じられて満足度が高い。
王宮の反対側はさらに丘が連なっていて、
のどかな景色が広がっていた。
今度ゆっくりと田舎町を巡ってみたくもある。

 

ドナウの真珠

王宮の丘は小さな町になっていて、
小さな土産店が点在していた。
カロチャ刺繍、ヘレンド磁器、パプリカ粉など、魅力的な雑貨を手に取り、
写真を撮らせてもらった。
いろいろ買いたいけど、キリがないし、
我が家の置き場所もなくなってきている笑

モザイク屋根のマーチャーシュ教会が見えてきた。
ゴシック様式の威容を誇り、天高く塔が伸びていた。
すぐ横には漁夫の砦があり、
こちらはネオロマネスク様式。
城壁を守ったのが漁師だったことが名前の由来らしい。

ここから眺めるドナウ川はとても美しかった。

 

冷静と情熱のあいだ

陽が傾きかけた頃、再びくさり橋を渡り、
ペスト側を散策した。
こちらは随分と都会的で、ローマの街並みに似ていた。

聖イシュトヴァーン大聖堂の鐘が響いた。
乾いた音ながら、重厚で、胸に染みる。
冷静と情熱のあいだ、を思い出しながら歩みを進めた。

アンドラーシ通りにお目当ての場所があった。
地下鉄M1線である。
区間は3駅しかないが、世界で2番目に古い地下鉄。
世界遺産にも登録されている、とても珍しい電車だ。

1896年にハンガリー建国1000年を記念して開通。
開通当時の国王の名前から「フランツ・ヨーゼフ線」と呼ばれている。
駅は無人駅で、レトロな趣きがあった。
車両は古い銀座線のようで、とても愛着を覚えた。

ドナウの真珠と呼ばれるブダペスト。
長い長い初日の最後は
ドナウ川に映る夜景がラストシーン。
船が行き交い、街明かりが水面に揺れる。

贅沢な時間だ。
冷たくなった夜風に吹かれながら
しばらく眺めていた。

 

旅のカケラ/slideshow

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