ここはどこですか？

デリー発、イエメン行き。
この旅初の空路で国を越える。

イエメンが目的地だが、
今日は「シャルジャ」という都市でトランジット。

シャルジャって？

シャルジャ？どうやらサウジアラビアの街らしい。
飛行機で５時間、
心待ちにしていた機内食はなんと有料！
「どうしますか？」
け、結構です…、あのぉドリンクも有料ですか？
「はい、５ドルです」
け、結構です…。

エアーアラビアという安さで有名の飛行機。
確かに、インド→イエメン→トルコというフライトで、
５００ドルとはお買い得だった。
サリジャに降り立った。

来ちゃったよぉ、中近東！
アラビア半島だ！！

両手を空に突き上げ、新しい旅が始まったことを実感した。
やっぱり空の旅はいい。
なんだか日本を旅立ってすぐのシンガポールを思い出した。
はじまりの空、浮かれ気分が戻ってきた感じだ。

１６ヶ国目、サウジアラビア！

サウジアラビア？

とはいえ、どうしたものか。
サウジアラビアは個人旅行者にビザの発給を行っていない。
明日のフライトまでは１７時間。
空港で過ごすには、時間を持て余す。

ちょっといいからサウジの地を踏んでみたいな…。
ダメもとでイミグレーションの列に並び、
トランジットビザを発給してもらえないか
聞いてみることにした。

「あのぉ、ここはトランジットで、
明日の飛行機まで１７時間もあるんです。
空港から出られませんか？」（KAZ）
「はい、大丈夫ですよ」（係員）

え！？そんなあっさりOK？？
「日本人ですよね？ビザは要りません」（係員）
ええぇ！！そんな話聞いたことないよ！

何かがおかしい。
ここはシャルジャ。本当にサウジアラビアなのか？
持ってる地図ではシャルジャという街は見当たらなかった。
そこでこんな質問をしてみた。

「ここはどこの国ですか？」

アラブ首長国連邦！

あっけにとられる係員。
飛行機に乗ってここまで来ておきながら
これほどオマヌケな質問はないだろう。
彼は笑いながらこう答えた。

「UAEだよ」

ユー？エー？イー？
UAE…アラブ首長国連邦？？
シャルジャってサウジじゃなかったのね。

よく見ればドバイのポスターが貼ってあるじゃん！
あっ、TVや雑誌で見かけるあのタワーだ。
パスポートに入国スタンプと、
６０日間滞在OKのスタンプをポンと押され、
そして行ってらっしゃいと、ポンと背中を押された。
ははは、UAEだって。
すぐ隣の街はドバイだって。
ハハハ、ハハハ、ハハハ。

いやぁ～予想外の展開。では改めて。
１６ヶ国目、UAEでございます♪

空港のベンチ

時刻は夕方。夜のドバイが待ってるぜ。
物価も分からず、とりあえずふたりで１００ドルを両替、
３６６ドゥラハムを手にした。
聞いた情報によるとドバイまでは約２０km。
喜び勇んで表へ飛び出した。

へイ、タクシー！
えっ、８０ドゥラハム？？
ええぇ、ホテルは２００ドルもするの？？？
む、無理だ。
結構です…。（機内と一緒じゃん！）

予想外の物価の高さに怖気づき、
結局貧乏旅行が骨身に染み付いたふたりが選んだ道は
空港のベンチで一泊。

手にした３６６ドゥラハム（約１万円）はというと、
食べたかったんだよ、マック！
しかもここは「マック・アラビア」という
日本にはないメニューが存在する。

チキンをピタで挟んだアラビアンな逸品。
コーラもポテトもビッグサイズさ。
２０ドゥラハム（約７００円）！
ひゃあ～贅沢ぅ☆

ふって湧いたUAE。
結局、時間も、お金も持て余してしまった…。
まぁ、こんな過ごし方もいいのかもね（笑