ネパールで過ごした2週間。
癒しの国のはずが、後半にかけて
とんでもなくハードな日々になってしまった。
どうやら、そういう星の下にいるようだ。
まぁ、それも喉もと過ぎれば…ってやつで、
今となってはいい思い出。
退屈しなくて良かったよ(笑
ルンビニを目指す
さて、スノウリというネパール・インドの国境にいる。
インドまで歩いて10分というネパールの端っこ。
国境の街は、たえず人通りが激しく、喧騒に包まれている。
そしてどことなく殺伐とした雰囲気があって嫌いだ。
ここにいるのは、「ルンビニ」に行くため。
ブッダの生誕地で、インドのアショカ王の石柱にも記され、
1997年に世界遺産に登録された。
なかでもルンビニ聖園にある「マヤ・デヴィ寺院」は
ネパール最古の寺院で、紀元前3世紀のものというから驚きだ。
ブッダって、キリストよりも先に生まれた人なのね。
スノウリからルンビニは26㎞と微妙に離れている。
ガイドブックにアクセスが詳しく載っていなかったので、
ここに行きたい人のためのコツを。
まずスノウリから一度国境に行き乗合ジープを捕まえて
バイラワという街へ。
そこからルンビニ行きのバスが頻発してるのでご安心を。
ジープは10ルピー(約17円)、バスは40ルピー(約70円)。
マヤ・デヴィ寺院
ルンビニは緑の町だった。
まっすぐな道をとぼとぼ歩き、聖園を目指す。
静かだ。自分の足音と息づかいしか聞こえない。
今日は快晴。
容赦なく降り注ぐ太陽と、力強い入道雲が
夏を教えてくれた。
聖園に入り、菩提樹の木陰に腰を降ろした。
人もまばらで落ち着く。
目を閉じ、かわりに心を開く。
風がすぅっと抜けていき、
眠りとは違った場所にある、深い意識に到達した。
ここまでの旅路を振り返った。
浮かれ気分で到着したシンガポール、
アジアの香りを楽しんだマレーシア、タイを抜け
少年時代の思い出がよみがえったラオス。
長かった中国、インド。
ムスリムの優しさに触れたパキスタン、バングラデシュ。
ミャンマー、キルギス、ブータン…、そしてネパール。
長いようで短かった、いつかの夏休みみたいな日々。
14ヶ国、160日を数えた。
毎日の登下校が冒険に満ちていた小学生。
思春期の甘酸っぱさを知った中学生。
友情と絆を深めた高校生。
可能性を信じて走った大学生。
いつしか社会に出て、
やりたいことと、やらなければいけないことの
狭間で揺れ、
順応することと、流されることの
境界線を見失いたくなかった。
さぁ、行こうか
見えない明日に戸惑う日々。
これでいいのか?
そんな声が聞こえなくなるのがただ恐かった。
この旅も人生もまだ未来は見えない。
でも、1日を、1歩を、
刻んでいけばそれが答えなんだろう。
人生に目的はない。
あるのは目標だけだ。
だから終わりのない旅がつづく。
目を開けて、穏やかな景色に安心した。
さぁ、行こうか。
明日は3度目のインド、そしてデリーへ向かう。
日本から戻ってくるパートナーを迎えにいこう。
アジアの旅はここルンビニで幕を下ろし、
次は中近東の旅に出かけよう。(中近東もアジアだけどね)
「はじまりの場所」
いつだってそれはすぐそこにある。
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