ハルタビ ’19(中欧編) ♯5 憧れてきたんだ

国が変わり、通貨が変わり、
地図が変わる。
ここ2日間は1日2ヶ国のペースで旅をしているので、
なかなか頭はパニック状態…。

ガイドブックは重たいので、
コピーした地図だけをポケットに入れて
街を歩き回っている。

 

94ヶ国目、オーストリア

16時、ホテルに荷物を置き、
まだ日が高いので街歩きに出かけた。

身体が鉛のように重たいが、
旅のチカラはすごい。
今日は雨の予報だったが、
旅の天気運は相変わらずで
ウィーンは快晴だった。

オーストリアの首都で、650年続いた
ハプスブルグ家の栄華を色濃く残す美しい街。
とりわけ旧市街は、路地に歴史的建造物が並び圧巻である。

ウィーンと言えば、
モーツァルトに代表される音楽の街であり、
マリーアントワネットのイメージも強い。
中世と現代が混在する、ハイブリッドな都市である。

街は丸ごと美術館のようで、
ある意味想像通りの美しく、端正な街。
本当は明日の予定だったが、
この快晴は貴重なので、
主要なスポットを巡っておくことにした。

 

蹄の音が心地いい

ヴォティーフ教会を目印に街の中心に向かい、
石畳みの道を歩いて行くと開けた広場に出て、
目の前にはホーフブルク(王宮) が現れた。
圧倒的な存在感で、
幾台もの馬車が行き交っている。
蹄の音が心地よく、中世の景色にいるようだ。

↑ペーター教会

ケルントナー通りに出て、
ペーター教会やシュテファン寺院を写真に収めた。
ふいに鐘の音が鳴り響く。
乾いた音が今日の終わりを告げ、
幾重にも音が共鳴し合って、心に染み渡る。
イスラムの国で聞くアザーンも良いが、
中世の街に響く大聖堂の鐘も、旅を彩ってくれる。

この旅が終わる頃、きっとこの音色を思い出すに違いない。

↑シュテファン寺院

エンゲル薬局は、16世紀に創業したウィーン最古の薬局。
現在も現役で営業しているからすごい。
ユーゲントシュティール様式の建築で、2人の天使の看板も雰囲気がある。
ただ、残念なことに今日は定休日で、中を覗くことはできなかった。

↑エンゲル薬局

 

レトロカフェでヤウゼ

夜はカフェをはしごした。
遡ること16世紀、皇帝の許可を受けてカフェが誕生。
オーストリアでは午後のティータイムをヤウゼといい、
コーヒーとケーキを楽しむ文化が根付いている。

まずは老舗カフェの「ハヴェルカ」へ。
創業から100年、当時のままの姿で、
店内に入るとタイムスリップしたかのような景色。

メニューは?と店員に尋ねると、
「私がメニューです」
との回答。
何があるか検討がつかなかったので、
お腹が空いたことを伝えると、
キッシュのような料理を運んできてくれた。

つづいてはウィーンの伝統菓子である
ザッハトルテを食べるため、
発祥の店である「カフェ・ザッハー」へ。
人気店であるため、行列ができていたが、
20分ほど並ぶと席に通してくれた。

正直、ザッハトルテは、
昔ながらの洋菓子店に並んでいるイメージで
あまり注目したことがなかった。
でも、ウィーンの情報を調べていると
ザッハーとデーメルの記事をよく目にし、
その歴史の深さに強く興味を持った。

フォークを入れ、ひと口。
アプリコットの酸味が心地よい。
濃厚なチョコと紅茶のマリアージュが最高で
ちょっとした貴族の気分。

夕食代わりのカフェ巡りだったが
とても満足できた。
明日、時間があったら
デーメルのザッハトルテにも挑戦してみたいと思う。

 

旅のカケラ/slideshow

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