お久しぶり!?

午前6時40分、
定刻よりも10分遅れでバスは出発した。

 

国境越え

ナイロビ(ケニア)→モシ(タンザニア)
行きのアカンババスは1000シリング(約1200円)。
シートは広く、リクライニングもよく倒れる。
心地よく国境の町「ナマンガ」まで眠らせてもらった。

「もうすぐボーダー(国境)だから」
バスボーイに肩を揺すられ、
え、もう…と体勢を起こす。
出国カードを受け取り、慣れた手つきで記入。
もう何度目だろ、これを書くのは…。
文庫片手にイミグレの列に並び、
スタンプ1個もらって出国完了!
ケニアには長い間お世話になりました。

 

大混雑、大混乱

つづいてタンザニアの入国審査。
お国が変われば…と、さっきまでの雰囲気が一変した。
「お前ら並べよ…!?」
タンザニア人(?)は順番を守らない。
隙あらば肩を入れて割り込むし、
隙がなければ相手を押しのけて割り込んでくる。
だから窓口は大混雑…。

ちゃんと並べばスムーズに終わるのに、
目先のことしか考えられないようで、
押し合い圧し合い、もう!!
欧米人が注意する。(おっ、いいぞ)
いったんは引き下がるも、すぐに違う窓口で割り込み。
どんどん後ろに流され、気がつけば土俵際…。
うっちゃりをかます術もなく、
決まり手は押し出し~、押し出し~と、物言いもつかない始末。

 

結局1時間以上も無駄に並んで
バスに戻ると最後の1人だった。
でもよかった、待っててくれて(ホっ)
タンザニアは第一印象「最悪…」。
そしてこの様がこの国を象徴していたと
後から気づくことになる。

 

モシ

「モシ」に到着したのは午後2時。
キリマンジャロ山の登山基地として有名な街で、
コーヒーの産地でもある。
街にはコーヒー・バーなるものがあり、
ミルクをたっぷり入れて飲むスタイルがモシ流だとか。
コーヒーは苦手だけど、カフェオレならいけるかも。

ここに来たのは単純に正月(明けたか…)だから。
1富士、2鷹、3なすび。
初夢で見ると縁起がいいベスト3。
ちなみに今年の初夢は、
お腹にアイロンをかけられて飛び起きるという、
カッコ悪い夢…。(誰か夢占いをお願いします)
リベンジってわけじゃないけど、
富士山の代わりにキリマンジャロってのも風流じゃない?
そんな理由。

バスを降り、ぐるっと周囲を見渡す。
額に手をあてて、目を細める。
あぅ!?
な、な~~い!!!!!
キリマンジャロはどこじゃろ?

「エクスキューズ ミー?」
道行く人をつかまえて聞いてみた。
すると、
「今日は見えないね…。雲に隠れちゃうから
明日の朝早くなら見えるかもね」
ガクっ…。
この時期は難しいのかぁ。残念。

 

約束が違うでしょ?

どうしよっか、次行く?
ひとり旅だとどんどん先に進みたくなる。
マラウィ国境に近い「ムベヤ」に照準を絞った。
地理も勝手もわからないので、バスターミナルに出向き、
スタッフらしきおじさんに尋ねた。
おじさん曰く、バス会社のチケットオフィスへ行けと。
もちろん場所がわからない。

仕方ないなぁ、
2000シリング(約160円)で連れてってやる、
と車のキーをちらつかせた。
もうこのおじさんに頼るしかないわけで、
重たいザックをトランクに詰め込み、
オフィスまで連れてってもらった。

車で2分、近っ!?
が、1日1便のムベヤ行きは満席。
するとおじさん、
「もう1軒別オフィスがある」と車を走らせた。
「ここだよ」
げっ!?さっきと同じ会社じゃん。
ムベヤ行きを尋ねてみるも案の定“満席”。
そりゃそうだよ、同じ会社だもん。
支店が違うだけで、バスは1台しかないもの。

途中で刻みながらムベヤを目指すという手もあったが、
ここは1日待って、明後日の便を購入することにした。
「おじさん、ありがとう」
結果的に2ヶ所連れてってもらったし、
料金を上乗せして3000シリング(約240円)手渡した。

すると、態度が一変…
「10000シリングだろ」
出た、出た、久しぶりだなぁ、このウザい言いがかり。
インド以来かぁ?いやエチオピアもウザかったなぁ。
懐かしさを覚えながら、
ハイハイ約束が違うでしょ?とたしなめる。

溜息をつきながら「WHY?」と首をかしげるおじさん。
そりゃこっちのセリフだよ…。
さっさとキレて、おととい来やがれ!と
立ち去りたいとこだったが、
タイで癒された後だけに、気分を害したくなかった。

大人の交渉術、と心で呟きながら
「じゃあ、警察でも行く?」と尋ねてみた。
「ガソリンが高いんだ」
たった5分しか走ってないじゃん。
「こんなにも親切にしてやったのに」
それはわかってる。だから心づけしたのに。
「俺はバカなのか?」
うん、もう争点はどこに行った….。

「もういいよ、はい5000シリング(約400円)」

WHY!? せめて8000シリングくれよ~。

これ以上は付き合いきれない、
ザックを担ぎ、力任せにドアを閉めた(怒

 

相性が悪い?

ホテルを決め、食事を済まし、街を散策した。

 

↑タンザニアはこの「チップス」が旨い。
ケニアやウガンダのそれとは違い、
フライドポテトを卵でとじてある。

どこを歩いてても遠くから
「Oh、マイフレ~ンド」とにじり寄ってきては
キリマンジャロに登らないか、
明日、滝を見に行かないか、と熱心に勧誘する。

市場では突然、馬鹿力で腕を握られ、
「ほら、手首がないんだ。だからお金、お金」
と、すっぽん男に2回も捕まるし…(離せって!)

マサイ族10人に囲まれて、
「写真を撮れ、そして金をくれ」
としつこくせがまれた…。
あー、ウザい!ウザい!!

「Oh、マイフレ~ンド」
また、来たかっ…
ダッシュでホテルに逃げ込むと、
外から嘲笑が聞こえてきて気分が悪くなった。

ホント、久しぶりだよ、
こんだけウザい国は…。
きっと相性が悪いんだね。

 

旅のカケラ/slideshow

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