あれ、あれ、アレッポ

アレ?ぽ??
な、なんでぇ…、時間ないのに(泣)

 

郵便局でトラブル

シリアのアレッポにいる。というか、いた。
今日は世界遺産に登録されていう「アレッポ城」を
見に行こうと、早起きをした。

でもその前に片付けておきたい作業がひとつ。
そう、日本への荷物の発送だ。
昨夜、道端に落ちていたダンボールで
発送用の箱を作成。
ガムテープで頑丈に補強をした。
宛名も書き、中身の仕分けも完璧だ。
言うなれば、
減量に耐え、スパーリングをこなし、
あとは計量を待つボクサーと同じ。

午前9時、郵便局のお目覚めだ。
シャッターが開くと同時に飛び込み、
EMSの窓口に小汚いダンボールを突っ込んださ。
局員はしげしげと中身をチェックする。
そしてにっこり笑顔で「NO!」

WHY??

中身はCD-Rと撮影済みのミニDV。
こいつがいけなかった…。
「これらを国外へ送るには政府の許可が必要です」
だってさ。

 

アレッポの街を右往左往

さぁ、事態は一変した。
計量に失敗し、
「ちょ、ちょっと外を走ってきます(汗)」
と、慌てて数グラムを落とすボクサーの気持ちだね。
でも、政府の許可ってどこへ行けばもらえるの?

英語があまり通じない国なので、
アラビア語で住所を書いてもらい、
紙切れ一枚を頼りに伝言ゲーム開始!
あっちだ、こっちだ、そっちだ、どっちだ??
アレッポの街を右往左往…。
アレ?ぽ??
な、なんでぇ…、時間ないのに(泣)

1時間後、目的の場所に辿り付いた。
「エデュケーション・センター」という場所らしい。
荷物を送りたいから許可証をおくれ、
暇なのか、7人も係員が付き添ってくれた。
そしてCD-R、ミニDVの鑑賞会が始まった…。

これは君か?
は、はい、そうです(苦笑)

どこの国だね?
えぇっと、イエメンですね。
おう、そうかそうか。

あんたら仕事はいいのかい!
といいたくなるほど、夢中で映像を眺める彼ら。

 

ようやくアレッポ城へ

結局、2時間近くこの鑑賞会は続いた…。
CD-RとミニDVを包装紙で梱包し、
そこにありがたいスタンプをポン。
これでOK!と、包みを手渡してくれた。
このスタンプ1つのために、、、(泣)

急いで郵便局へ戻り、
どうだ!と窓口に包みを掲げた。
ははぁ~、恐れ入りましたとひれ伏す局員たち。
時計の針は12時を回り、
ホテルのチェックアウトもとうに過ぎてしまった。

「ごめん、ハッサン。戻るの遅くなって…。
で、今からアレッポ城行きたいんだけど、
荷物預かってもらえるかな??」

ふたつ返事で了承してくれた。
郵便局もこれくらい寛容ならよかったのに。

アレッポ城はホテルから徒歩20分だった。
すげぇ、デカイ☆
周囲2.5kmの巨大な要塞がそびえていた。
もとは紀元前10世紀(←3000年前!?)に建設された
ネオ・ヒッタイトの神殿で、12世紀に十字軍が侵略してきた
時代に要塞化されたという。

 

カミソリの刃一枚も入らないほどの石組みと、
均整のとれた美しさは目を見張るものがあった。

 

アラブの商店街

また、城の周辺には「スーク」と呼ばれるアラブの商店街があり、
石屋根の下に迷路のように広がっている。
薄暗い路地に、軒を連ねる貴金属や香辛料の店。
混沌とした中に、アラブの香りが漂っていた。

↑アレッポ石鹸が有名。1キロ250円って重いよ…

 

暑さも尋常じゃなかったので、早々に観光を切り上げ、
荷物を取りに宿に戻った。
「今日はハマへ行くよ」
ハッサンにそう別れを告げ、
何度もお辞儀をしながら玄関を後にした。

 

次の街はハマ

ハマ行きのバスは快適この上なかった。
エアコン完備の広々シート。
乗車時間は2時間で、料金は100シリアポンド(約250円)。
たまたま隣に座ったシリアのヤング。
「ハマ」のバスターミナルに着くと、荷物を持ってくれた上に
タクシーの交渉までしてくれた。
お目当てのホテルまで50シリアポンド(約125円)。
ホントに親切だよ、シリア人は。

あいにくホテルは満室。
しかし、またしても屋上部屋が空いているというので
「そこで!」とチェックイン。
ひたすら階段を登り、扉を開けると、、、

げっ、マジで屋上じゃん!

開放感抜群のルーフトップに
布団を敷き、風に吹かれながら日記を書いている。
奇遇なことに、屋上の住人は全員日本人だった。
『男女7人屋上物語』なんてドラマでも作ろうか…。

↑眺めは最高。でも電気ないし、まもなく闇が訪れる

 

旅のカケラ/slideshow

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