天空の城ラピュタ

宮崎駿作品で何が好きかと聞かれたら、
『天空の城ラピュタ』と答えるだろうな。

 

 

交通の要

シリアで3番目に大きな街「ホムス」にいる。
ここはダマスカス、アレッポという
2大都市の中間地点にあたる交通の要。
ここに来れば行けない場所はない、
と言われる国内の都市へとバスが頻発している。

ただ残念なことに、観光資源に乏しいため
安宿が少なく、選択の余地がなかった。
昨日からツインルーム(約1000円)を
ひとり占めしている。
快適この上ないが、予算をオーバーしたため
再び自炊生活に突入した。

 

クラック・デ・シュバリエ

さて、ここホムスから40kmほど離れた場所に
「クラック・デ・シュバリエ」
という観光スポットがある。
1144年に聖ヨハネ騎士団が移り住み要塞化した城で、
標高650mの丘の上に建つ。

ホムスのバスターミナルからセルビス(乗り合いワゴン)に乗り込み、
城の前で降ろしてもらった。
(乗車時間1時間/料金50シリアポンド ※約125円)
すでにタイトルで察しているだろうがこの城、
宮崎アニメ『天空の城ラピュタ』のモチーフになったという。

ラピュタといえばもう1つ、
アンコールワット遺跡群にある
「タプロム」もそうと言われているけどね。
本人が言ったわけじゃないだろうが、
こうやって世界中に彼の世界観が実在している。
「あの宮崎駿の…」という枕詞がつくと、
行かなきゃ!と思ってしまうから彼の影響力たるや…。

丘の上にたたずむ白亜の城。
内部はゴシック様式で、キレイな保存状態だった。
迷路のような城内には天井の小窓から光が差し込み、
固い石畳に足音が響いた。
巨神兵ではなく、甲冑を着た騎士団がよく似合う城だった。

 

王女の塔を目指す

内堀をくぐり、巨大な食料庫を抜け、
中庭にある王女の塔を目指した。
心はすでに中世の世界を漂い、
頭の中ではラピュタのBGMがリピートされていた。
パズーならぬ“カズー”。
待ってろ、シータ!笑

塔のてっぺんは見晴らしがよかった。
が、次の瞬間!!
見たくはなかったものが飛び込んできた…。
中庭にある大ホールを改築し、
展望レストランをつくっているではないか…!?

「近日OPEN」、そんな看板も掲げられていた。
かつては長期の篭城に耐えうるべく
設けられた広大な食糧貯蔵庫も、
時は流れ、巨大な厨房へと姿を変える…。

ば、バルスだよ…(泣)

決して口にしてはいけない滅びの呪文。
ちょっと淋しい気分で帰路についた。

 

バルスだよ…

城の前には行きと同じセルビスが停まっていた。
どうやらホムスへ戻るだけの乗客が集まらないようだ。
車内に乗り込み、1時間。まだ乗客は5人。
定員は14人で、人数が集まらない限り発車しない。
業を煮やした運転手がある提案を持ちかけた。
「今5人だから、1人150シリアポンド
払ってくれるなら出発するけど、どうする?」
4人のEUと、1人のJP。
EUサイドは「ノープロブレム」と即決。
さあ、どうする日本の答えは?

もう少し待って人集めをし、
財政負担を軽減したいところだったが、
日本政府のように答えを後回しにする
風潮を彼らは許してくれるだろうか…?
財布を覗く、もうギリギリなのに…(泣)

お、OK…。

断腸の思いで国連に回答を提出し、車は走り出した。
行きの3倍の料金がかかってしまったことで、
今夜も自炊が決定した。

バルスだよ…。

 

旅のカケラ/slideshow

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