ピラミッド・アゲイン

 

あれから1週間、
再びギザのピラミッドを訪れた。

 

今日はリベンジ

実は前回、
スフィンクスとそのすぐ正面にある
ケンタッキーに興奮し、そのままゲートをアウト。
地下鉄に揺られながら

「しまったぁぁぁ…!?」

と、ピラミッドの内部に
入り忘れたことに気がついた。

いわば今日はリベンジである。
天気は快晴。青空に雲が浮かび
ピラミッドが写真映えする。

ここ最近行動を供にしているカズマと一緒に
ギザまでやってきた。
魔法の国際学生証を提示し、
ピラミッド・エリア入場券を購入。
通常の半額の25ポンド(約500円)を支払った。

 

 

ギザの三大ピラミッド

つづいて、ピラミッド内部に入るための列に並んだ。
ギザには3つの巨大ピラミッドがあり、
中でも一番有名なのが「クフ王のピラミッド」。
内部に入れるのは限定300名で、
しかも入場料は100ポンド(約2000円)と高い。
まぁ、ここに入りたいところだが、
値段に似合うだけの感動がない、と聞く。

そこで、ほぼ同じ大きさの
「メンカウラーのピラミッド」に入ることにした。
学割料金で15ポンド(約300円)。お得である。

↑なぜかこんなところでコーヒーを売るおじさん

スフィンクスの前でなぞなぞを出し、
3つのピラミッドが見えるパノラマの丘に上る。
しつこいラクダ引きを交わし、砂漠を突っ切った。

 

不思議じゃない

「不思議じゃなくなってきたなぁ」(カズマ)
彼は言う。

えっ、何?

「なんかさ、テレビで観たり、小さい頃から
憧れてた場所っていっぱいあったけど、
今こうやって目の前にあるし、行きたいって思えば
どこでも行けちゃうんだよね」(カズマ)

そうだね。

この旅でたくさんの絶景と出会い、
本やテレビの中の世界を
目の当たりにしている。
“不思議”というベールに包まれていたこのピラミッドも、
こうして目の当たりにすれば
現実的なものとして向き合うことができる。
スゴイ!という感動とともに。

さて、いよいよ本日のメイン。
ピラミッドの内部に潜入だ。
気分はミステリーハンターか、
吉村作治教授か。
細い一本道の通路を下っていった。

まずは50mほど下る。
板に滑り止めのストッパーがあるだけの
簡素な道。斜度は30度くらいに感じられた。
滑らないように横歩きで進む。
人とギリギリすれ違える程度の幅しかない。
下りきるとしばし平坦な道が伸び、
今度は上り坂が待っていた。

 

サウナのような空間

しかしピラミッドの中は暑い…。
もうサウナ状態だ。
入口ですれ違った欧米人はみなTシャツを
脱いでいたのも頷ける。
たかだか100mほどの移動で、
『スラムダンク』ばりの汗を掻いてしまった。

玄室に着いた。
30㎡くらいの小さな部屋。
壁際には空の棺がひとつ。
とても質素な空間だった。

訂正しよう。
やっぱりピラミッドは不思議だ。
これだけ巨大なのに、
中はこんだけ?ってくらいシンプル。
でも、石を積み上げただけの造りなのに、
なぜこんな通路や部屋ができるのだろうか?
誰が、いつ、何のために…。
不思議、フシギ、ふしぎ。

ピラミッド・アゲイン、
ミッション コンプリート!!

汗だくで表へ出た。
吹きぬける風が気持ちいい。
あぁ、エジプトって涼しいなぁ。

 

不思議な縁

よくこの日記に登場するカズマだが、
思えば一緒に観光をしたのはこれがはじめて。
まもなく彼はルクソールへ旅立つ。
しばしのお別れだ。

でもね、ピラミッドよりも
不思議な縁があるから、
またすぐに再会するんだろうね。

 

旅のカケラ/slideshow

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