ハルタビ’17(バルト3国編) #6 世界平和

 

1日1ヶ国。まるで標語だ。
今日もまた国境を越える。

ラトビアのリガで迎えた朝。
いよいよハルタビの終わりが近づいている。
5:30、いつも目覚ましよりも早く目が醒める。
素早く支度をして、最後にもう一度、
リガ旧市街を散歩した。

街はとても静かで、人もまばら。
そう、今日は独立記念日で祝日だから。

フィンランドのメーデーもそうだったけど、
こっちの人たちは祝日をきっちり休むようで、
店はほとんどが閉まっていた。
観光客向けの土産店さえも。

自由記念碑前ではなにやらセレモニーが催されていた。
青空の下、ブラスバンドの音色が心地いい。
そのすぐ隣にある川のほとりの公園で少し黄昏てみた。

緑が鮮やかで、噴水には虹がかかっていて、
いつまでもここでのんびりしていたい気分だった。

 

12:15、シャウレイ行きのバスに乗り込んだ。
近距離のためかWi-Fiはなく、
少し古い車体だった。 窓の外にはまた、
北海道のような景色が流れている。

 

そして約3時間後、
シャウレイの町に降り立った。
87ヶ国目、リトアニア
(この旅6ヶ国目)

 

 

さあ、最後の国だ。
リトアニアだけ唯一、2泊する予定で
まずはここシャウレイに立ち寄った。
古くからラトビアとの交易が行われ、
織物業、皮革産業で発展した。

 

 

ここに立ち寄ったのは、
町の北東部にある「十字架の丘」を訪れるため。
リトアニアを代表する巡礼地としても知られ、
2001年に「リトアニアの十字架の手工芸とその象徴」
の一つとして無形文化遺産に登録された。

タクシーと交渉し、十字架の丘までの往復と、
向こうでの1時間の待機を含めて25€で妥結。
延々と草原と畑が広がる景色の中、
タクシーは快適に丘を目指した。

タクシーを降りると丘までの一本道が続いていて、
向かい風の中を黙々と歩いた。
すると、おびただしい数の十字架が
視界に飛び込んできた。

 

 

十字架の丘はリトアニア最大の巡礼地。
初めてここに十字架が立てられたのは、
1831年のロシアに対する蜂起の後だとか。
ロシアの圧制により処刑された人たちや、
シベリアへ流刑された人たちを悼んだ人々が、
一つ一つ持ち寄ったもので、小さなロザリオから
高さ数メートルもある十字架まで様々。
その数は5万とも10万とも言われている。

丘に着くとピタっと風がやんだ。
なんだろう、この神秘的な感じわ。

とても静かだ。
遠くに鳥のさえずりが聞こえる。
青空に向かって十字架が伸びている。
静かにシャッターを切った。
何枚撮っても、満足できないくらい
すごい場所だった。

1.5€で十字架を1つ購入し、
名前と、今日の日付を刻んで丘に立てた。
無数の十字架に埋もれてしまったが、
まるで自分の分身のように愛おしさを感じる。
少し目を閉じて、静かに祈ってみた。

青空と、果てしない草原。

ぽつんと佇む十字架の丘は、
圧倒的な存在感を放ちながらも、
やさしい場所に思えた。
またいつかここを訪れて、
あの十字架を探してみるのも
ロマンチックかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です