小さなアキタビ ’20 北海道編②

早く起きなきゃ、そう思うほど眠りは浅く、
結局4時前に目が覚めてしまった。
でも旅先なら寝不足でも気持ちで乗り切れる。
さぁ出発の準備をしよう。

 

丘と畑のドライブ

朝靄の中、車を東に走らせた。
千歳から夕張を抜け、まずは帯広方面へ。
車窓には雄大な畑や牧場が広がり、
麦の穂に朝露が反射して幻想的だった。
なんて気持ちのいいドライブなのだろう。
乾いていた心が潤っていくようだ。

あっという間に5時間ほど走り、
時計は11時を指していた。
ブランチに、と目星をつけておいた店があり、
帯広のすぐ隣町、士幌町を目指した。
延々と、丘と畑が続き、農場をいくつも目にした。

 

ファームキッチン

その中の1つ、山岸農場が手掛ける
ファームキッチン「佐倉 café」に到着した。
ちょうど開店したところだったが、
人気店のため、席はほとんど埋まっていた。

今回の旅では食にお金をかけようと思っている。
というのも、GoToトラベルの恩恵で35%の割引があったため、
宿泊費だけで2万円近くも浮いた。

ファームキッチンなので立地はもちろん酪農牧場の真横。
3種類の中からメインが選べる
「今日の気まぐれランチ」(1200円)を注文することに。
牧場で搾乳したミルク、自家菜園やご近所の農家さんから分けてもらう新鮮野菜、
近隣で採れたタラの芽などの山菜、など、
地産地消、すべて手作りのランチプレートである。

 

 

地産地消

メインは煮込みハンバーグにしたのだが、
思わず声が出るほど美味しい。
野菜中心のおかずは7品以上盛られていて
彩りも美しかったが、それ以上にどれも美味しすぎて驚いた。
北海道の食材だからか、旅先だからか、
食事でここまでテンションが上がるのは珍しいくらい。
気軽にまた来よう、とは行かないが
わざわざ行きたくなる店を見つけてしまった。

食後は再び車を走らせる。
今日の目標は500km先にあるウトロまで行くのだから
まだ1/3しか走っていない。

 

阿寒湖とまりも

 

2時間後、阿寒湖に立ち寄った。

日本で数少ないマリモが生息する湖で、
湖の周りには自然だけでなく、
アイヌという北海道の文化が根強く残されている。
アイヌの人々の集落「アイヌコタン」に車を停め、
阿寒湖まで散歩をした。

何度も来たことがある場所だが、
いつもは曇っているか、強風で、
今日ほど穏やか湖は初めてだった。
静かに湖面を滑る遊覧船が絵になる。
湖畔のベンチでしばらく休み、
定番のまりもを買って阿寒湖を後にした。

 

さぁ、目的地までは残り150km。
ずいぶん近づいたような感覚だ。
峠を越えるとすっかり日は落ち、
やがてオホーツク海が視界に広がった。

 

ウトロの人気店

予定通り20時にウトロの民宿に到着。
ウトロは釣り客に人気の温泉街で、
ホテルの数も多くないからすぐに予約で埋まってしまうらしい。
今回は早めに押さえておいてよかった。

■民宿しれとこペレケ

「どこかおすすめの飲食店ってあります?」
そう宿のご主人に尋ねると、
地元の人が集まる人気店を案内してくれた。

「食事処 潮風」
情報通り繁盛していて、30分ほど待って入店できた。
居酒屋だけど、どの料理も定食にできるというので

「からふとますザンギ」を定食にしてもらった。
あと、「もずく酢」と「塩ラーメン」も注文。

ちょうど今、カラフトマスが遡上の時期で、
翌朝、宿のすぐ横の川にたくさんのマスがのぼってきる姿を目にした。
おおぶりのザンギ(唐揚げ)にレモンを搾り、
口に運ぶと予想外にさっぱりした味。
ごはんのおかずにはややパンチが足りなかったが、
もずくと、塩ラーメンに助けられた。

下道で500km走った疲れからか、
布団で横になるとそのまま眠りに落ちてしまった。
ガタガタと窓を叩く風の音。
隙間風が冷たく、9月なのに気温は10℃と肌寒い。
布団の温もりがとても心地よかった。

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