嫌な胸騒ぎで目が覚めた。午前7時。
メキシコは日本時間-14時間なので
日本は同日の午後9時。
インフルエンザ
「おはようございます」
リビングに行くとオーナーが
インターネットでNHKのニュースを観ていた。
「ヤバイなぁ…日本に帰れんぞ、こりゃ」
えっ?
事態を重く見たWHOが1日前倒して国際会議を開くという。
豚インフルエンザをフェーズ4に上げるか否か。
フェーズ4に上がると交通規制がかかり
簡単に出入国ができなくなるという。
特にアメリカと日本が事態を重く見ていて
メキシコからの飛行機をどんなカタチで
受け入れるのかが心配だ。
隔離?
そんな言葉も飛び交っている。
帰国のチケット
メキシコ国内はというと
軍がマスクを配ったというニュースがあるくらいで
渦中にいながらのんきに構えているように見受けられる。
特にここカンクンは完全に対岸の火事。
どこか現実感がない。
今手元にあるのは
4/29発の「カンクン→メキシコシティ」
5/12発の「メキシコシティ→日本」
この2枚の航空券。
ちゃんと飛べるのか、
日程の変更は可能なのか、を調べることにした。
チケットを購入したした旅行会社に出向き
豚インフルエンザにおける運航状態を聞いてみた。
どちらの会社も「問題ない」と即答だった。
ただし、「情報が入ってないから」と
不安なひと言を付け足しての…。
日程の変更は不可だと言われてしまった。
安いFIXチケットだから仕方ないし、
誰がこんな事態を予測できただろう…。
ついでに明日は「チチェン・イツァー」に行く
ツアーを申し込んであったので、
そちらも予定通り開催されるかを聞いておいた。
「問題ない」
やはりカンクンは豚インフルエンザとは無縁のようだ。
メルカド28
気分転換に散歩に出かけた。
行き先は「メルカド28」。
“地元庶民が利用する素朴なオープンマーケット”
と謳われていたが、閑散とした土産市場だった。
店を横切る際、少しでも商品に目線を送ろうものなら
「トモダチ、ノータカイ」
としつこく商品を奨められる。
とにかく人がいないからマンツーマンで店員が張り付く。
次々に並べられる商品…
どんどん消費意欲が萎えていく。
ここの市場にはちょっとした名物料理があり
これを食べるのを楽しみにしていた。
「豚タコス」
豚を丸焼きにして、タコスを作っているのだが
1日1頭限定なので売り切れ次第終了。
午前中で店じまいもしばしばというから
さながら香川のさぬきうどん店みたいだ。
だが、突如飛び込んできた豚インフルエンザ。
豚タコスを食べるのがはばかられた。
大事をとってやめておこう。
心が送る危険信号
市場は肩すかしに終わった。
日はまだ高かったがどっと疲れたので宿に戻った。
目が痛い。
真っ赤に充血しコンタクトレンズが入らない。
太陽の眩しさにも耐えられず外ではほとんど目が開かない。
原因はストレスだろう。
豚インフルエンザによってもたらされた不確定な未来。
神経質なA型なので不安材料があると心の中で膨張し
どこかしら身体に影響を及ぼす。
よく仕事の締め切り前に腰痛になったり、蕁麻疹が出たりするが
今回は目にきた。
そういえば、チリでパソコンが壊れた際も
ストレスから視力が著しく低下した。
その後、新しいパソコンを買うとすぐに症状は回復。
人の身体って不思議だ。
心のバランスでこうも変わるものなのか。
今できることは?
マスクを用意し、人ごみを避け、
うがい、手洗いを心がける。
あとは情報収集か。
心が送る危険信号、
今回の豚インフルエンザはとても嫌な予感がする…。
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