カッパドキアは上辺だけを見てちゃいけません。
ここには文字通り、
迷路のように坑を堀巡らした30を越える
「地下都市」があるんです。
いつ? 誰が? 何のために?
5W1Hを用いて聞いてみたいほど
謎に満ちた場所である。
迷宮入り
文献によると4~10世紀、
ペルシャやイスラムの迫害を受けながらも、
神への信仰と身の安全を守る
キリスト教徒の存在が浮かんでくる。
外敵から逃れるため彼らが隠れ住んだのではないかと。
ところが、キリストが生まれるよりも前の
紀元前4世紀には、この地下都市の存在が確認されているとか?
いろんな学者が調べているが
これまた文字通り“迷宮入り”なのだ。
観光できる地下都市は3つ。
デリンクユ、カイマクル、オズコナック。
中でも一番規模が大きいデリンクユに行くことにした。
ギョレメから約30km。
バスを2本乗り継いで目指す場所にたどり着いた。
トルコは今、好景気に湧いている。
だからすべての物価が上昇!
地下都市の入場料もここ2、3年で3倍強のアップ。
15リラ(約1500円)、痛い出費である。
地価(地下)上昇!とでも言っておくか…。
地下都市デリンクユ
デリンクユは地下8階の構造で、
かつては4万人が生活をしてそうだ。
内部には通気孔が張りめぐらされ、教会や学校があった。
道は狭く、天井も低い。
腰を屈めながら、長い階段をどこまでも下っていった。
中はヒンヤリとして涼しい。
が、ここで生活などありえない。
さしずめ防空壕といった感じで、
ジメジメはしていないが、あまりに無機質だ。
半日くらいかけてじっくり観て回ろう!
そう思っていたが、ものの1時間で飽きてしまった。
迷路のようになっているから
どこを歩いているのかも判らないし…。
モッタイナイ、と思いつつもさっさと宿へ。
青いなぁ
そして強い日差しが逃げてしまう前に
プールへ飛び込んだ。
宿にあるプールは水深2.2m。
ザブンと潜ればそこは音のない世界。
プールの底で水面にゆらめく光を見つめていた。
青いなぁ。
地下8階の地下都市に潜るよりも、
たった2mの水の中のほうが幻想的だった。
指先がふやけるまで潜水を繰り返し、
水面に顔を出しては、
力強い太陽にほっとしながら
“生きてる”ことを実感した。
最後の夕日
部屋を抜ける風が心地よく、
欧米人の話し声を子守唄に昼寝をした。
目を覚ますとカッパドキアは夕日に赤く染まっていた。
今日、地下都市で偶然、
サフランボルで知り合った日本人と再会した。
「カッパドキアで会おう」
そう言って別れたが、その通りになった。
地下都市で会ったから
「未知との遭遇」と言うべきだろうか。
いやぁ旅の偶然はすごい。
会いたい気持ちがあれば
すぐに会える気がするから不思議だ。
そんな彼らと夕食に出かけてきます。
カッパドキア最後の夜。
しんみりと過ごすより、
大勢ではしゃぎたい気分だから。
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