季節のない旅が続いている。
冬の終わりに日本を旅立ち、
飛行機を降りた先は夏のアジア。
とろりと暑い大地を北上するにつれ暑さは和らいでいき、
いつしか中国の列車の車窓には、
乾いた冬の砂漠が広がっていた。
暑さはいくぶん穏やかに
そして今、初夏のキルギスにいる。
キルギスのホリデーにぶつかり、まさかの国境閉鎖。
3日間の足止めを余儀なくされた。
今、泊まっている安宿は団地の中にあって、
古いアパートの一角。
日中はたくさんの子どもたちが元気に走り回っている。
ちょっと前の日本と景色は同じだ。
緑を蓄えた木々が風に揺れ、木漏れ日が窓から差し込む。
ふいに眩しさを覚え、眠りから覚めた。
夕方4時、暑さはいくぶん穏やかになっていた。
たおやかな空気の中で、
とても心地いい昼寝だった。
バザールへ行こう
夕食の買物をしようと、
近くのバザールへと足を運んだ。
ああ、昨日となんら変わらない光景だと、
黄金色の街に胸を撫で下ろす。
日々流れていく時間の中で、
変わらないものを見つける安心感。
ここが日本じゃないから尚更だ。
明日もきっとこんな感じで1日が過ぎるのだろう。
もうすぐキルギスの旅が終わる。
新しい国への期待と、去り行く仲間との別れ。
すべてを抱えながら道は続いていく。
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