ポケットの地図

砂を噛む嫌な感触で目が覚めた。
埃っぽい部屋、窓もなく薄暗い。
表に出て伸びをひとつ。

 

トラックに乗るように

100m先にはイミグレーションがある。
荷物をまとめ、軍服の指示を仰ぎながらイミグレを通過。
オフィスを出たところで軍の人から
「トラックに乗るように」と指示があり、
気のいい中国人ドライバーの助手席に座らせてもらった。

実はキルギスと中国の国境には、
どちらの国にも属さない緩和地帯が約7kmある。
この部分をトラックに乗って通過するのだ。

しかし、5分も走らないうちにトラックは停車。
まったく進まなくなってしまった。
ドライバー曰く、まだ中国側の国境が閉まっているためだと。
仕方がないので歩いて中国国境を目指すことにした。
ザックを担ぎ、長いトラックの渋滞を縫うように進む。

 

サヨナラ、キルギス

今、自分がいるのはどこの国でもない。

ちょっと不思議な感覚に浸りながら、黙々と歩き続けた。
途中、何度も中国公安にパスポートのチェックを受けたが、
もちろん問題なし。残り3kmほどは、
公安のバス(10元 ※約150円)に乗せてもらって
中国側のイミグレーションに入った。

行きに3時間もかかったカスタムと
パスポートコントロールはものの15分で終わり、
出口で待ち構えていたタクシーも80元(約1200円)と、
良心的な値段だったので、
スムーズにカシュガルの街まで戻ってきた。

2週間前に泊まった宿を再び訪れ、
時計の針を中国時間に合わせた。
さて、明日は再び国境越え。
今度はパキスタンへと向かう。

 

ポケットの世界地図

ここまでの行程を少し振り返ってみよう。
チベットが通過できないことで、行き先をシルクロードに変更。
中国西端の街カシュガルからパキスタンへ抜けるつもりが
国境でパキスタンビザが取れないことが判明。

仕方なくビザを求めて隣国のキルギスへと足を踏み入れた。
が、ビザの発給やキルギス・中国間の国境は気まぐれで、
結局1週間以上も足止めを食らうはめに…。

どれだけ遠回りして、このスタートラインに立ったことだろう。
ルートを大きく変更したことでしばらく先の見えない旅がつづく。

でもポケットの小さな世界地図を見ながら、
無限の可能性を模索するのは楽しいものだ。

 

旅のカケラ/slideshow

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