見えない約束

ジューっと野菜を炒め、ぐつぐつと麺を茹でる。
キッチンに立つ2人の男。
昨日から、キルギスで自炊を始めた。

 

自炊生活

バザールで食材を選び、
宿でキッチンを借りて料理をする。
これは経済的なだけではなく、
とても楽しいことを知った。

日本にいたときは面倒だった料理も、
旅先では遊びの一環で、時間も気にならない。
キルギスで知り合い、今一緒に旅をしているマーさん。
アウトドアの経験が豊富で、旅慣れている。
買い物をしながら、料理をしながら、
そして宿でもたくさんの情報やノウハウを伝授してくれる。

 

旅人たち

旅をはじめて間もない自分と、
もうすぐ長旅を終えて日本に帰るマーさん。
ここキルギスでふたりの旅がクロスし、
そして、1本の線になった。
彼から学ぶことは非常に多いので、
今後の旅に役立つことは間違いない。
“出会うべくして出会った”
そう、勝手に解釈させてもらっている。

ほんの少し前まで(と言っても2日ほどだが)は、
行動を供にしていた仲間が他にも3人いたが、
それぞれ自分の道(旅)へと進んでいった。
ある人はカザフスタンへ、
ある人はウズベキスタンへと。

その中のひとりがこう言った。
「KAZとマーさんはお互いのペースが合ってるみたい。
いい距離感があって、どちらも自然だね」

旅先で宿や目的地が同じ人と、仲良くなることがある。
ルートや次の目的地が同じだからといって
行動を供にすることはそう多くはない。
それは、自分のペースを崩したくないというより、
相手のペースを尊重したいからだろう。
バックパッカー同士、気を遣っているのだ。

 

一緒に行こう!

マーさんとの関係は少し違う。
「どこどこまで一緒に行こう」、
そんな約束はない。
お互いバラバラに動いていながら、
自然とルートや目的がダブってくる。
だから“気が合う”というわけ。

明日、別々の道を進むかもしれない2人の関係。
でもその糸はけっして細くは感じない。

一緒に行こう!
そんな約束はないが、
「イシク・クル湖には寄りたいよね」
「10日にはパキスタンに入りたいな」
と、毎日語り合っている。

そして今日の晩ごはんの献立も折り合い済みだ。
さて、本来の相方であるヒロはというと
いまだ中国(カシュガル)にいる。
3日遅れでキルギス入りする予定だったが、
中国のGWに巻き込まれ、国境を越えることが不可能になってしまったのだ…。
(GW中は、中国・キルギス間の国境が閉鎖されるらしい)

今度いつ会えることやら?

一緒に行こう!
そう約束しているヒロではなく、
マーさんが隣にいる。
旅はきまぐれで面白い。

 

旅のカケラ/slideshow

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