忘れ物は何ですか?

午前9時、シェンクアンから
ルアンパバーンへ向かうバスに乗り込む。
およそ7時間のバスの旅。
かけ足の世界一周だから、
2日に1度は長距離移動が待っている。

ラオスにトンネルというものは存在しない。
したがって、1つずつ地道に峠を越えていく。
時速30km、車1台がやっとの細い山道を
大きな身体を揺らしながらのそのそと進む。

 

いくつの町を越えていくのだろう?

山間には小さな集落があり、
子どもたちが元気に駆け回っている。
こんな場所でどうやって生活するんだろう?
電気はあるが、車やバイクはない。
畑も作れそうにない急な斜面に家は建っていた。
昔話に登場するような藁の家に
大勢の家族が暮らしている。

いくつもの集落、いくつものカーブを超えて、
バスは一路、ルアンパバーンを目指す。
7時間、飽きもせず窓の外を眺め、
その景色を目に焼き付けた。
昭和の匂いがするラオスの“今”を。

 

古都、ルアンパバーン

 

夕方、ルアンパバーンに到着した。
街ごと世界遺産に登録されているラオスの古都だ。
街というより「町」が似合う。
数々の名刹が街に溶け込み、
古めかしくも美しい街並みを形成。
はんなりが聞こえてくるような、
そんな穏やかさが漂っていた。

宿に着くと、
2日早く到着していた友人が待っていた。
メコン川の支流、
カーン川のほとりに佇む部屋だった。

 

祭り囃子が聞こえてきそう

夜の街を歩けば、夏祭りのごとく多くの屋台が軒を連ねる。
むき出しの白熱灯が無数に続き、
立ち込める湯気や、キャッキャと騒ぐ人々の輪。
幼いころに胸をときめかせた、あの光景だ。
金魚すくい、射的、わたあめ。
カランコロンと下駄の音さえ聞こえてきそうな。

ラオスは日本の昭和が残っている。
いや、現在進行形だ。
古きよき時代へのタイムスリップ。

急ぎすぎた高度成長の代償に
いつしか忘れ去られた心象風景。
そんな忘れていた景色に
この国でもっと出会いたい。

旅のカケラ/slideshow

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