バック トゥ ザ フューチャー

アフリカの未来都市、ナイロビに戻ろう!

ウガンダ2日、ルワンダ5日と、
濃密な1週間を過ごした。
うだうだとバスを乗り換えるのも面倒なので、
帰りはナイロビまでのダイレクトバスを選択した。

 

3か国横断

キガリ(ルワンダ)→カンパラ(ウガンダ)→ ナイロビ(ケニア)
と、3ヶ国の首都を結ぶ国際バス。
乗車時間は24時間、
運賃は23000フラン(約4600円)である。

『カンパラコーチ』というバス会社で、
行きにナイロビ―カンパラ間を利用したのだが、
この旅でベスト3に入る快適バスだった。
iPodの電池は約8時間、
タイミングを見計らって投入していくことにした。

 

マダムのおつかい

宿からバスターミナルまではおよそ4km。
バイクタクシーを捕まえようと腹づもりをしていたのだが、
昨夜同じ宿に泊まっているウクライナのおばちゃんが
「私も5時半のバスなのよね」
と訪ねてきた。

あぁ、一緒ですね、みたいな話をしていると、
「実は宿の人が英語を話せなくて困ってるの。
あなたタクシーを手配してくれない?」
えぇ、自分も英語話せないし、
タクシーの運転手はフランス語じゃん…。
とまぁ、むげには断れず、
ひとりタクシーを捕まえに行く羽目になった。

ルワンダでは“TAXI”という看板を掲げている車はいない。
みんな白タクで、どれがタクシーかなんて見分けがつかない。
停車してる車1台1台をあたり、
「タクシー?」と運転する仕草で尋ね歩いた。
数台の自称タクシーを見つけたが、いかんせんフランス語。
ボンジュールとメルシーじゃ交渉できない…。

それでもなんとかカタコト英語を話すドライバーを見つけ、
「明日 5時 ホテル」と約束を取り付けた。
携帯電話の番号も聞いたし、これでなんとかなるだろう。

宿に帰ってウクライナおばちゃんに報告。
でかした!とお褒めの言葉をいただいた。
4000フラン(約800円)とバイクタクシーの
10倍以上の料金を提示されたが、
おばちゃんが払ってくれるという。
「あたしは100ヶ国以上旅をしてるのよ!」
と、任せときなさいな態度だったが、
だったらタクシーくらい自分で手配しようよ…。

 

24時間バス

そして当日。
心配していたタクシーは約束の時間にやってきたが、
おばちゃんが寝坊…。
早く早く、バス出ちゃうから!
もうドタバタだよ…とほほ。

バス乗り場でおばちゃんと別れ、予約してあったバスに乗り込んだ。
5時30分、朝焼けで雲がピンクに染まっていた。
さぁ、24時間がんばりますかぁ。

ルワンダ国境で起こされ、あくびしながら出国。
ウガンダ国境で再びビザ代50ドル!を徴収され、
ウダウダ文句を言いながら入国。

 

トラブル発生

 

ウガンダはなかなかひどい国で、シングルもトランジットも同料金。
バスで数時間通るだけなのに、あぁもったいない…。
やっぱりウガンダとは相性が悪いのかトラブル発生!
プスン、プス、スン…と、
突然バスのエンジンが止まってしまった。

エンジンをかけようとスターターを回すも、
キュルキュルと乾いた音が鳴るばかり。
乗客は全員バスを降り、バスを押す羽目になった。
エンジンの押しがけである。
声を合わせ、何度も挑戦するが
エンジンは一向に息を吹き返さない。

ダメだぁ…、あきらめムードで道端に座り込んだ。
すると1人の乗客が名乗りを挙げた。
「お客さまの中にお医者様はいませんか?」
という、ドラマでよく目にするシーンのように、
「私が見てみましょう」と、車体の下に潜り込んだ。

固唾を飲んで見守ること10分、
ギュルギュルギュル!っと鈍い音が響き
つづいて、ドスン!!と、破裂するようにエンジンがかかった。
真っ黒な姿で車体から這い出てきたヒーロー、
拍手と歓声に包まれ、少し照れながらすすを払っていた。

さぁ、試合再開。あと16時間だ。
遅れを取り戻そうと、今まで以上に爆走するバス。
14時にウガンダの首都カンパラに着き、
2度目の給油を済ませてケニアを目指した。

 

食事はどうする?

ふと疑問に思ったことがある。
食事はいつ摂れるのだろうか?
休憩は2度あったが、すべて給油休憩。
ガソリンスタンドでは食事はできないもの、
隣の席の人に尋ねてみると
夕方に食事が振舞われる、みたいなことを言う。
ほぉ、食事付きなんだ。そいつは楽しみだ。

出発から12時間、日没間際に夕食タイムが訪れた。
が、バスが停車したのはレストランではなく、小さな山小屋。
運転手がバスを降り、建物の中に入っていく。
何の気なしにその様子を眺めていると、
数人の男性を引き連れて戻ってきた。
男たちの手には串に刺さったチキン(丸焼き)。
彼らはバスに乗り込み、乗客にチキンを配り始めた。
ひとり1本、そう、丸焼きを…。

香ばしい匂いに包まれたバス。
老若男女、チキンに齧りついている様は異様だった。
すぐ後ろの席には3歳くらいの男の子がいて、
右手にチキン、左手にキャンディーという
はなれ業をやってのけているし。
うん、旨いよ。でもおかしくないかい?
全員でバスに乗りながらチキン?
手なんかもう脂でベタベタさ…。

食べ終わると、窓から骨と串を投げ捨て、
何事もなかったように再び眠りにつく。
うーん、ウガンダってやっぱり腑に落ちねぇ…。

 

ミルキーウェイ

21時、ウガンダを出国し、ケニアに入った。
バスは快調に走っている。
ここで今まで封印していたiPodを取り出し、
ラストスパートに備えた。
あと9時間、がんばるぞ!

音楽を聴きながら、2時間ほどの浅い眠りを繰り返した。
窓の外を見上げると、満天の星が瞬いていた。

どこまでもつづく真っ暗な道と、
どこまでも夜空に伸びるミルキーウェイ。
時計は午前3時をさしていた。
ナイロビって遠いなぁ…。

 

旅のカケラ/slideshow

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