サバンナの戦士

今日はもうひとつのメインディッシュが待っていた。
サバンナの戦士“マサイ族”とのコンタクトである。

 

草原の貴族

マサイは、ケニアとタンザニア北部に住んでいる原住民で、
伝統的な生活を守って暮らしている民族。
世界一有名な民族として知られ、
人口は推定20~30万人程度と推測されている。

キリマンジャロ山の頂上に座する
エン=カイという神を信奉する一神教で、
非常に勇敢でプライドが高く、
草原の貴族とも呼ばれている。
スティーブン(ガイド)にお願いし、
マサイの村に連れて行ってもらった。

もともと観光客を受け入れている村なので、
入口でひとり700シリング(約1000円)を
謝礼として族長らしき人物に渡し、
村の中に案内された。

 

いいジャンプだ!

まずはお約束、
高く飛び跳ねるマサイのダンスを踊って
僕らを歓迎してくれた。

「お前も一緒に跳ばないか?」

族長に促され、
彼らに負けないくらい高くジャンプした。
バレーボールをしているため
垂直跳びには自信がある!

「いいジャンプだ!!」
と、彼らに褒められ気分がよかった。

そういえば、最近のマサイ族は
自ら作ったサンダルを履くようになった。
このサンダルの底には車の古タイヤを利用していた。
試しに履かせてもらうと、思ったよりも
履き心地がいい。
「10年は持つ」と、耐久性は抜群だ。

 

アイデンティティー

 

彼らはライオンを1人で殺せるようになると
一人前として認められる。
赤い布を身体に巻き、いつも槍を持っている。
また、視力がべらぼうによく、
平均3.0~6.0で、中には12.0という
脅威の千里眼もいた。

カッコイイ!
これがマサイの印象だった。
ちょっと荷物になるが、
マサイの布(約650円)を購入し、
アクセサリーを3つ(約1000円)購入した。
憧れていた民族なだけに、
何か記念になるものが欲しかった。

先日のエチオピアで会ったムルシ族、
そして今日のマサイ族、
みな時代の波に押され、伝統を守りながらも、
現金収入を得られる観光ガイドなどの
職業につく者が少しずつ増え、
遊牧生活を続けてゆくことは
年々難しくなってきているそうだ。
マサイが身につけているアクセサリーは
タンザニアで購入していると言うし、
マサイの布は中国製だとか…。

今は21世紀、時代の狭間で揺れ動く
彼らのアイデンティティーを
垣間見て、また少し考えさせられた。

旅することは、“思考する”ことだと思う。

 

旅のカケラ/slideshow

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