岩の教会とインターネット

13世紀、サグウェ朝のラリベラ王が、
第2のエルサレムを作るべく
建設したといわれるコプト派キリスト教の
岩窟教会がある町「ラリベラ」。

 

岩窟教会

世界遺産にも登録されている
この岩窟教会をひと目見ようと、
タフな移動をこなし、
昨夜遅くにようやくラリベラに到着した。

岩窟教会は、一枚岩をくり貫いて作った教会で、
部屋や窓もあり、外壁には凝った装飾もある。
とても人力だけで造ったとは思えない高度な技術だ。
きっと建築に興味がある人なら
さぞかし関心することだろう。
素人ながら、うわぁすげぇ…と、
息を呑んだくらいだから。

さて、ここラリベラには
12の主だった岩窟教会があり、
共通チケットで見学が可能である。
ガイドブックには50ブル(約500円)と
書いてあったのだが、実際に窓口に行くと
「200ブル」と、強気な回答。

2000円だよ!?
これはエチオピア人の平均月収にあたる金額。
高すぎる!と思いながらも、
ここまで来た以上見ないわけにもいくまい…。
渋々チケットを購入した。

それにしてもここ最近、
観光地の入場料の値上げが激しい。
ぺトラ遺跡を筆頭に、人気に比例して
強気強気の値上げが行われている。
さらに、それに付随するように、
観光地の人々もどんどん観光ズレし、
ボったくりが横行し、
しつこい客引きも後を絶たない…。
世界遺産は、感動と紙一重の距離に、
非常に不愉快で、がっかりさせられる
一面を含んでいるのだ。

 

人類の叡智

話をラリベラに戻そう。
教会の中は薄暗く、ひんやりとしていた。
素足で歩くため重層な岩の圧迫感があり、
その中を歩いていると、
これまた貫禄のある司祭が
じっと座って祈りを捧げていた。

高い入場料にはげんなりしたが、
この雰囲気に気持ちはすっかり晴れ、
厳かで、ありがたい気分になった。

「聖救世主教会」
ラリベラで1番大きな岩窟教会で、
長さ33.7m、高さは11.5mもある。

「聖ギオルギス教会」
正十字形をした教会で、
「ノアの方舟」を象徴している。

教会内部にあるフレスコ画やイコンを眺め、
司祭におじぎをし、そっと柱に触れては、
人類の叡智に溜息をついた。

この旅ですっかり使い古した
“スゴイ”という言葉を何度も口にし、
その場を離れるのがもったいない、
そう思いながら時間が許す限り教会を巡った。

 

集落を歩く

ラリベラは岩窟教会だけでなく、
町自体も魅力的だった。
三角屋根のかわいい家や、
土でできた素朴な家、
アジア以上の貧しさを抱えながらも
気さくで、笑顔が絶えない人々。

カメラを向けると
にっこりと微笑んでくれるし、
日本人だと明かすと、
目を丸くして喜んでくれる。

旅人のわがままかも知れないが、
観光ズレしないで、
この素朴さをいつまでも守ってほしい。

 

ダイアルアップ

さぁ書けた!と、
本日の日記(ブログ)をアップすべく
ネットカフェに向かった。
店に入ると3台のマシン。
値段は1分1ブル(約10円)だと言う。
高いな、と思いながらもマウスをクリック。

「しばらくお待ちください」

砂時計のアイコンが画面上で何度もひっくり返る。
1分、5分、10分…
うぅ遅い!!!
なんと今どきダイアルアップだという(泣

結局ブログの更新など皆無で、
メールすら送信できなかった。
ただただ砂時計を眺め続けた30分、、、
苦い表情で約300円を支払い
店を後にした。恐るべしアフリカ!
素朴じゃなくていいよ、
ネット環境はだけはさぁ…

 

旅のカケラ/slideshow

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