食後のデザートにご注意!

ナミブ砂漠ツアー2日目、
いよいよ今日は「ナミブ砂漠」を冒険する。

 

デッドフレイとソススフレイ

午前6時半、
セスリエムから西にソススフレイに向かって、
壮大な砂丘群の間をランクルは行く。

残り5kmは未舗装で、完全な砂漠の中を走る。
何度もスタックしそうになりながら、
砂煙を巻き上げては前へ前へ。
激しく揺れる車内は、パリ・ダカールラリーを彷彿とさせた。

 

フレイとは、「干上がった水場」という意味で、
周囲がアプリコット色の砂丘なのに対し、
この底は灰白色をした粘土質の土地だという。
通常は何年も干上がった状態が続くが、
雨が降った年にはこのフレイに水を湛えることもあるとか。

砂漠に昇る朝日を眺めた後、
まずは「干上がった水場」を見に行った。
魔女が悪い魔法をかけたような景色で、
干上がって地割れした大地に枯れた木がいくつも生えていた。
およそこんな場所に雨が降るのか、はたまた水が溜まるのか?
乾ききった世界は、死をイメージさせる。

幹に触れてみると、流木のようにカラカラで、
照りつける太陽ですっかり固くなっていた。
叩いてみると、木琴のように乾いた音が響く。

 

一枚の絵葉書

ちょうど、昨日買った絵葉書を持っていたので、
同じ景色はどこだろう?と、探してみると、
おぉ、あった、あった!この角度。
カメラを構え、同じ構図でシャッターを切った。

魔女の森?を後にし、小高い砂丘をいくつも越える。
時刻は午前9時、すでに気温は40℃を超えているだろう。
サンダルの隙間から容赦なく焼けた砂が入り、
じりじりを足を焦がす…。
汗が頭に巻いたタオルから額を伝うが、
すぐに乾いていく。

ときどきトカゲが地面を滑るように這っていくが、
どうしてこんな場所で生きていられるのだろう。
肩で息をしながら、砂丘をまた1つ越えた。

 

足跡をキレイに消していく

 

実はこの砂漠ツアーに1つの野望を抱いていた。
2月2日は誕生日!
ぜひとも、砂漠のど真ん中で迎えようじゃないか☆
と、思っていたのに、ツアーの出発が1日早まり、
そして1日短くなった…。
2月1日に首都ウィントフックに帰ってしまうのだ。
あぁ残念(泣
でも、海外で迎えるんだからそれで十分か。

ここナミブ砂漠の砂丘はとにかく巨大!
世界最古の砂漠と言われていて、
これぞ砂漠、というロマンをくれる。
幾重にも砂丘が連なり、絶えず拭いている風が
その足跡をキレイに消していく―。

 

孤独な砂漠登山

ひとしきり砂丘を登ると、砂漠でランチ。
ガイドのジョーが野菜を切り、ハムとチーズを用意した。
各々が好きな具材をパンに挟み「砂漠サンド」を頬張る。
砂がまじってるから、ホントにサンドウィッチ(笑

午後の日差しは容赦なかった。
もう砂は焼けど級の暑さ。

吹き付ける風も暴風で、
砂丘を登っていると吹き飛ばされそうになる。
サングラスで目をカバーし、
カメラに砂が入らないようにTシャツの中に隠して進む。
ゴーゴーという風の音しか聞こえない…。
そばに人はいるのに孤独な砂漠登山。

 

DUNE45

「DUNE45」という300mを越える砂丘がある。
世界一の高さだそうだ。
8人で参加したツアーだったが、
この砂丘に登るかどうかは各自の自由。
「登りたい!」と挙手したのは4人で、全員が日本人。
ガイドも「俺は休む」と、高み(低いけど)の見物だ。

ハァ、ハァと息を切らしながら最後の登山。
モンスター級の大きさに前を向いて歩くと、
気持ちがめげる…。
一瞬で消えていく足跡を見つめながら、下を向いて歩きつづけた。

約20分で登頂に成功したが、砂嵐がひどすぎて
カメラが出せない…。
どこまでも広がる砂漠の絶景を心に焼き付け、車に戻った。

食後のデザートは、世界一の“デザート”(砂漠)登山。
もうお腹いっぱいです…。
高校球児のように、ひと握りの砂を袋に詰め、
ポケットにそっとしまった。

 

旅のカケラ/slideshow

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