ハルタビ ’23(イギリス編) ♯11 Starting Over

民泊なので荷物は預かれない、と言われたが、
駅で預かってもらうとなんと6000円!
おいおい…な物価なので、荷物の写真を撮り、
「このサイズなのでお願い」と、オーナーに再度メールすると
「じゃあ、廊下でよければ」と承諾してくれた。
あぁ、助かった。お願いしてみるもんだね。

 

イングリッシュフルブレックファースト

荷物問題が解決し、身も心も軽く出発。
今朝もフルブレックファーストを求めて街に出た。
宿から1kmほど歩いた住宅街にある「Terry’s Café London」。
ここも事前にネットで見つけておいた店である。

8時開店と書いてあったが、
今日は特別な日ということで8時半からと言われた。
国旗の飾り付けに忙しそうだ。
店内で待たせてくれたのでその様子を眺めていた。

後に知ったのだが、実はチャールズ国王の戴冠式が
ウェストミンスター寺院で行われる日で、
街中がお祭り状態だった。
街角では中継を眺める人だかり、
国歌を歌い、歓声にわいていた。

予告通り8時半に注文ができた。
どれがイングリッシュフルブレックファーストかわからなかったので
聞いてみると、「THE WORKS」(14.5£/約2500円)だと教えてくれた。
飲み物と合わせて3000円オーバーの朝食、
やっぱりロンドンの物価は恐ろしい。

運ばれてきたのは、見慣れた朝食だったが、
今までのオールスターという内容で、
3人前はありそうなビッグサイズだった。

 

ノッティング・ヒルの恋人

満腹で店を後にし、地下鉄の駅に向かった。
ウォータールーからボンド・ストリートで乗り換え、
ノッティング・ヒル・ゲートで降りる。
映画「ノッティング・ヒルの恋人」の舞台になった街で
閑静な住宅街だった。

ここにきた目的はポートベロー・マーケットで、
ロンドン最大の骨董市が開かれているから。
通りに沿って約2kmのマーケットが続いていて
想像以上に巨大だった。
歩きはじめるとちょうど雨が落ちてきて、
次第に雨足は強まり、天気運もついに力尽きたようだ。

アンティークディーラーも足を運ぶ、という触れ込み通り
充実の品揃え、店舗数だ。
路面店もあるのでこれを見て回るのは
なかなかに時間がかかりそうだ。

見つけたいのはアンティーク雑貨で、
特にテディ・ベアを発掘したいと思っていた。
陶器でできた人形や置物、古着のジャケット、
財布の紐はすっかり崩壊し、次々に購入。
もう帰るだけだから、思いっきり買い物を楽しんだ。

古着探しは特に楽しくて、
かなりお手頃な価格で売られていた。
試着をしてみるもどれもサイズが大きくて、
なかなかピッタリの物が見つからなかったが、
ロンドンの人にとって小さいサイズは売れないようで
すぐに値引きをしてくれた。
ジャケットとコートを1着ずつ買って15000円だったので
とてもいい買い物ができたと思う。

しんしんと降り続ける雨。
もう午後の予定はキャンセルして
このまま買い物を続けることにした。
本当ならビッグ・ベン、ウェストミンスター寺院、
バッキンガム宮殿を見て回る予定を立てていたが、
この雨と、国王の戴冠式が行われているので難しいと判断した。

 

テディ・ベアとの出会い

マーケットを端まで見たので折り返して
再度テディ・ベアを探すことにした。
店の人に聞いてみるも、最近は売られていないと言われ
目撃証言は得られなかった。

それでも隈なく店を見て周ると、
小さなショップにぽつんと座る白いクマを発見。
手に取り、値段をみると40£(約6800円)と書かれていた。

レトロな感じだったので店主に尋ねると
1950年代のものらしい。
なぜか30£(約5000円)にまけてくれて、
もちろん即購入。これだけある店の中で、
おそらく唯一のテディ・ベアだったので
奇跡の巡り合わせとしか思えない。
70年、どんな歴史を歩んできたのだろうと思うと、
これから日本に連れ帰るのが不思議に思えてくる。

ズブ濡れになりながら、こんなロンドンの過ごし方も
きっといい思い出になるだろう。

 

Starting Over

ジョンレノンの曲に「Starting Over」という歌がある。
またはじめから、やり直せる、という意味で、
旅の終わりはいつもこの言葉を思い出す。

1つの終わりは、次の旅のはじまりであり、
これからもずっと、旅の数だけ、
はじまりとおわりを繰り返す。
人生と同じで、またはじめから、やり直せる。
Starting Over、Starting Over

宿の荷物をピックアップし、
最後にビック・ベンをひと目見ることにした。
歩いて15分、こんなに近かったとは。
戴冠式の影響で厳重に警備され、
橋は一方通行になっていた。
数枚シャッターを切り、すぐにその場を後にした。

ヒースロー空港に着いたのは19時過ぎだった。
21:35のフライトなのでまだ時間がある。
ラウンジに行くつもりだったが、
ここターミナル4には無いと言われ、
カフェに入って時間を潰すことにした。

思い返せば1週間前、
この空港で乗り継ぎのために必死に走っていた。
結局乗り継ぎには間に合わず、途方に暮れたが、
ちゃんとStarting Overできている。

ここから13時間半と7時間半の長いフライトが
2本待っているので少し気分は重たかったが、
この旅を走りきった達成感と充実感が
心を落ち着かせてくれる。

 

ファイナルコール。
チケットを握りしめ機内へ向かう。
さようなら、ロンドン。
今日もいい1日でした。

 

 

旅のカケラ/slideshow

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