ハルタビ ’23(イギリス編) ♯02 HELP!

機体は降下体制に入り、
まもなくヒースロー(ロンドン)に着く。
到着予定は6:30で、次のフライトは8:00だ。
さぁ、間に合うだろうか。

 

空港ダッシュと運試し

機内でCAに乗り継ぎ時間が乏しいことを伝えると、
外のスタッフに助けを求めたら大丈夫だと言われた。
でも、信じない。
機内のスタッフと地上スタッフの連携が取れていないことは知っているし、
この深刻な状況を簡潔に伝える英語力もない。
すべて自力で解決するしか方法はないのだ。

ドアが開き、急いでイミグレに向かう。
幸い日本人は顔認証の自動ゲートを通過できるので
あの長蛇の列に並ぶ必要はない。
機械にパスポートをかざし、カメラで顔認証を試みるも
何度もエラーが出る。焦るな、もう一度。
3度目のエラーの後、スタッフがいる窓口に向かうよう促された。
今日の運は弱いようだ。

5分ほど時間をロスし、イギリスに入国。
今度は荷物のピックアップだ。
ここも運ゲーで、遅いと15分は待たされる。
ところが、2番目に荷物が出てくるという大吉を引き、
まだ間に合う可能性が出てきた。次はバスの時間だ。

初めて訪れた空港なので、どこに向かえばいいかわからず、
「excuse me」を連発しながらがむしゃらに走った。
何人にも道を聞き、バス停を探す。
あった、ここだ。さぁバスはいつ来る?

 

綱渡りと、迎えた結末

またもミラクル。2分後にバスが来る!
時計をみると、フライトまでの残り時間はあと1時間だった。
(着陸から30分でここまで来れたのは奇跡)
バスは早朝ということでいくつもバス停を飛ばしてくれた。
30分かかるはずのバスが、20分ほどで目的のターミナルに着いた。
これは間に合う流れじゃないか。

登場手続きの締切は出発の40分前。
さぁラストランだ。
目的の飛行機を探し、人をかき分け、
チェックインカウンターへひた走った。

スタッフにeチケットとパスポートを手渡すと、
P Cで内容の確認を始めた。
そして、毅然とした態度でこう一言、
「NO」

すでに搭乗手続きは締め切っていて
わずか4分間に合わなかった。
いくつもミラクルを重ねたのに、残酷な結末だ。
ほぼ負け試合なのに、最後の最後まで足掻いて
あと一歩というところまでは来れたが、
その一歩が届かなかった。

 

まだBプランがある

初めて航空券を無駄にしたショックは大きかった。
金額にすると約3万円。
それ以上に、予定が狂う(滞在時間が短くなる)ショックが大きかったが、
まだ始まったばかりのこの旅を立て直す必要がある。
無理やり気持ちを切り替えて、「Bプラン」を発動した。

実はTrip.comというサイトを使って、
予備の格安航空券を買ってあった。
ちょっとした裏技があって、保険金の数百円を追加することで
出発の3時間前まではキャンセル無料という神チケット。
できれば使いたくはなかったが、
Bプランを発見し、用意しておいた過去の自分に拍手。

ライアンエアーという航空会社で、
ここヒースロー空港ではなく、
ロンドン郊外にあるスタンステッド空港から出発する。
今は午前8時で、出発は午後3時だから時間は充分にある。

日本で用意しておいた海外SIMをスマホに挿し、行き方を調べた。
直通のバスがあったので、バスチケットを購入し、バスに乗り込んだ。
バスは33£で、約6000円なので航空券よりも高かったのは複雑な気分…。

2時間ほどかかるそうなので、その間にスマホでチェックインを済まし、
15kg分の手荷物も追加購入しておいた。
車窓は長閑な田園風景が広がり、いくつも牧場があった。
ロンドンは緑が多い場所で、まるで北海道のような景色。

今ごろはアイルランドにいたのに、と少し未練がましく思ったが、
それでもこの景色が心地よく、トラブルこそが旅の醍醐味だと
だんだんと心は落ち着いていった。

 

旅のカケラ/slideshow

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