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1日、カーチャーターを依頼したので
今日は好きな場所に行ける。
ここバリ島では、バス路線が整備されていないので
タクシーか、カーチャーターが主な移動手段となる。
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運転手はタマン、
オーバーブッキングになったホテルで手配してもらった。
優しそうな顔で、どことなく芸人のノッチに似ている。
行きたい場所を列挙すると、
じゃあこのコースでどうだ?とアレンジしてくれた。
いい車、運転も優しい。
(ちなみに料金は7000000ルピア/約7000円)
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バリのデサ(村)、プンリプラン
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まず最初に向かったのは
ウブドから約1時間の場所にある小さな村「プンリプラン」。
バリらしい昔ながらの雰囲気が村という触れ込みで、
昔ながらの方位決めで造られた村らしい。
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南北にのびるメイン・ストリートを中心に構成されていて、
村の3ヶ所には、ヒンドゥー教の伝統に基づいた位置に寺院が配されている。
道路の両側には同じ門構えの民家が建ち並んでいる。
奄美大島のフクギに囲まれた民家と似ているので、
ルーツは同じなのかもしれない。
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門をくぐり、庭に入れてもらうと
小さな小道が続いていて、迷路のようで楽しい。
こういう素朴で、ローカルな場所が一番好きだ。
2時間ほど村を散策し、次の場所へと向かった。
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幻の世界遺産
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小さな村をいくつか抜け、森の先に現れたのは
「ブサキ寺院」。
聖なるアグン山の麓に佇むヒンドゥー教の総本山で、
「母なる寺」とも呼ばれるそうだ。
16世紀のゲルゲル王朝時代に地位を確立し、
ウィシュヌ、シヴァ、ブラフマの3大神を祭る寺院である。
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幻の世界遺産とも言われていて、
寺院反対によって3回も世界遺産登録を見送ったと。
圧巻のスケールで、ジャワ島にあるボロブドゥール遺跡といい勝負かも。
長い石段を登りながら、神秘的な景色を楽しんだ。
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寺院の一番上では、祭壇の前に座り、祈りを捧げた。
僧侶にチャナンをもらい、聖水を振りかけてもらう。
何かを願うのではなく、心を無にして祈るのが正解だとか。
静かで、風が心地よかった。
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気の利くドライバーで、
バトゥール湖が見下ろせる展望台や、
沐浴場として有名なティルタウンプル寺院にも立ち寄ってくれた。
決められたコースをめぐるツアーと違って、
1日中好きな場所に連れていってくれるのは本当にありがたい。
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コピルアックと棚田
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ジャコウネコの排泄物から採取される
幻のコーヒー、コピルアック。
熟したコーヒー豆をジャコウネコが餌として食べ、
消化されずに排泄された豆を、
洗浄したものがコピルアックと呼ばれる。
日本では1杯5000円とも1万円とも言われる高級コーヒーだが、
ここバリのコーヒー農園では500円ほどで飲めてしまう。
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ドライバーのタマンに、
調べてあったコーヒー農園に寄りたい旨を告げると、
「そこは高いから、違う場所でもいいかい?」と、
とてもローカルな農園に連れていってくれた。
バリの人たちはとても控えめな性格で、
どこに行ってもしつこい接客はしてこないが、
連れて行ってもらった名も知らぬコーヒー農園も例にもれず、
とても控えめな案内で迎え入れてくれた。
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入園料は無料で、10種類ほどのコーヒーを試飲させてくれた。
コピルアックだけは有料だが、
50000ルピア(約500円)だったので、
もちろん1杯いただくことに。
もともとコーヒーは苦手なので違いはよくわからないが、
ありがたい気持ちになった。
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ドライブの締めくくりは「テガララン」。
15年ほど前にも訪れた場所だが、
記憶はほとんど残っていない。
ただ、ウブドといえば棚田を真っ先にイメージするので
とても楽しみにしていた場所である。
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テガラランの棚田は、美しいカーブを描きながら
何層にも重なっているのが特徴で、
よくぞこんな傾斜のきつい場所に田んぼを作ったものである。
大きなヤシの木に囲まれていて、
階段状になった棚田が連なる姿は圧巻であり、幻想的だった。
最近では空中ブランコが人気のようで、
よくガイドブックで目にする。
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斜面を下り、細いあぜ道を歩く。
夕方の雰囲気と相まって、なんだか刹那的だ。
これまでたくさんの国を巡ってきたが、
こうして同じ場所を再訪するのに15年という月日が流れてしまう。
行きたい場所と、戻りたい場所。
この細い畝のように、頭の中でたくさんの場所がつながっている。
コロナで失った3年間はとてももったいない時間だ。
そしてこれからも、
今までのようには気軽に海外はいけないかもしれない。
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風が少し冷たくなってきた。
1日、1日を大事にしながら、
これまで以上に旅の時間を噛みしめたい。
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