温海こけし(阿部進矢工人)

 

あつみ温泉の「萬国屋」で迎えた朝。
温泉に浸かり、地元食材をふんだんに使った
ビュッフェスタイルの朝食を堪能した。

仕事で来ているけど、すっかり旅行気分。

さて、ここに泊まったのは理由がある。
あつみ温泉の伝統こけしである
「温海こけし」を手に入れるため。

 

現在、温海こけしの工人は阿部進矢工人のみで、
木地の系譜は土湯系、様式は蔵王高湯の要素を取り入れて
独自の作風を確立した、独立系に分類される。
受注生産のみなので、前もって電話でアポイントを取り、
今回の出張に合わせて訪問することにした。

昨夜、観光協会や宿の人にも情報収集してみたが
やっぱり販売している店はなく、
イベント(販売会)にも滅多に参加しない工人なので
本当に貴重だ。

 

午前9時、旅館に荷物を預け、阿部工人宅へ。
ものすごく近く、100mくらいの距離だった。
ちゃんと約束を覚えてくれていて、
居間にあがらせてもらった。

「どんなのを作ろうか?」
100体以上のこけしの写真があり、
どれでも好きなものを作ってくれるという。

散々迷った挙句、2体を選び
付箋に名前を書いてファイルに貼った。
阿部工人は83歳の今でも毎日のように工房に行き、
こけしづくりに励んでいる。
今回依頼したこけしの完成は来年の6月頃らしい。
この待っている時間も楽しみの一つだ。

 

玄関に並べられたたくさんのこけし。
帰り際、記念に撮影させてもらった。
かわいらしく、印象的な目鼻立ち、
色彩豊かで独特な型のこけしばかりだった。

 

帰宅後、ネットで阿部進矢工人のこけしを購入した。
玄関に飾ってあったものと同じ「子守りこけし」。
半年後の完成を待つ間、このこけしを見て癒されようと思う。

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