ネパール人で良かった

しばらく移動が続いたせいか、快晴の空のせいか、
午前6時に宿を飛び出し、観光に出かけた。

 

スワヤンブナート

昨日訪れた市内にある歴史地区の「ハヌマン・ダカ」をはじめ、
カトマンドゥ周辺にはたくさんの世界遺産がある。
それらを総称して「カトマンドゥの谷」と呼び、
17世紀の歴史的な建造物が多く残っている。
まず最初に訪れたのは、宿から3kmほど離れた
小高い丘に建つ「スワヤンブナート」。

朝の散歩は気持ちいい!
雨上がりの泥濘を巧みにかわしながら、その丘を目指した。
「巨人の星」を彷彿とさせる長い険しい階段を上り、
切れぎれの息の中で、その大きな目を見据えた。
ブッダの目である。

世界でも非常に荘厳な仏塔のひとつと言われ、
その歴史は2000年とネパールで最も古い建物だとか。
仏塔の基部には四方を見渡すブッダの目が描かれていて、
街を見張るかのように、雄大にそびえていた。

神聖な場所はやっぱりいい♪
少しだけ自分が高尚になった気分に浸れるし、
日常にとらわれた心をスゥっと開放してくれる。

そして、別名「モンキーテンプル」と言われているだけに
サルが多く、ヤツらの行動を眺めているとても愉快だった。

 

古都パタン

さて、ここからはバスに揺られる。
ネパール語で書かれた行き先を読めるわけもなく、
片っ端からバスを止め、どこどこ、と行き先を告げて回った。

カトマンズの土着民族であるネワール族。
彼らはカトマンドゥ、パタン、バクタプルの3つの街の
文化の創造に寄与してきた。
これら歴史ある3つの街には、
繊細に彫刻された石像や木柱によって
美しく作り上げられた王宮や寺院などがある。
これらの建物は歴史あるネワール芸術の
象徴として現在も残されている。

「パタン」の街。
3世紀から続く古都パタンは、
カトマンズの南、聖川バグマティの向こう側に位置している。
バスでたったの20分だったが、さすがはローカルバス!
すし詰め状態、ノンエアコン…。
もうダメかと思ったころに運転手に「ここだ」と言われ、
パタン!とバスから転げ降りた。

 

細い路地を抜け、王宮広場に出た。
赤茶色したレンガ造りの建物が立ち並び、
まるで中世にタイムスリップしたような感覚を味わった。
昼下がり、急に空が陰り出した。

 

古都バクタプル

今日はもう1ヶ所欲張る予定なので急がなければ。
再びバスを探し、
次なる目的地「バクタプル」へ向かった。

「バクタプル」は、雨上がりで
しっとりと情緒を醸し出していた。
これまたカトマンドゥ、パタンと同じく
かつての王国のひとつで、町全体が博物館のよう。
迷路のような町を気ままに歩き、
見事な彫刻には目を奪われた。

さて、今日のタイトルは「ネパール人で良かった」である。
アジアを旅していて日本人以外に間違われるのが
なぜかネパール人。
アー ユー ネパーリー?って具合に。
確かにネパールに入ってみて
「日本人と顔が似てるなぁ」と思った。
何より、自分のファッションがネパーリーだったのだ。
特に左耳のピアス。
(ネパールの男性はピアスをしている)

 

顔パス?

実は本日訪れたスワヤンブナート、パタン、バクタプル。
そして昨日行ったハヌマン・ダカと、
外国人はすべて入場料が必要なのである。
町や建物の入口にチェックポストがあり、
係員が目を光らせている。

ところがだ。
ただの一度だって呼び止められやしない!
彼らの目にはネパール人として映っているのだ。

結局、合計で2000円ほど得をしてしまったわけだが、
そんなにネパーリーだったとは…と少しショックもある。

明日もまた世界遺産を巡る。
「ボダナート」と「パシュパティナート寺院」で、
当然ながら外国人は入場料の徴収がある。

果たして、ネパーリーの“顔パス”は
通用するのだろうか?

 

旅のカケラ/slideshow

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です