コパンで会いましょう

午前4時半、真っ暗な道でバスを待つ。
胸騒ぎがするし、悪い想像ばかりしてしまう
「忘れられてないだろうか…?」

 

不安と闘いながらバスを待つ

本来ならば昨日のうちにホンジュラスに入国する予定だったが
バスが2時間以上も遅れてしまい、乗り継ぎに失敗。
やむを得ず翌朝のチケットに振り替えてもらった。
ピックアップするからホテルの前で待ってるようにと
言われたものの、約束の時間を過ぎてもバスは来ない…。

不安、不安、不安。

もしこのままバスが来なかったらどうなるのだろう?
電話をかけるにもスペイン語の壁が邪魔をするし
電話代だってバカにならない(1分500円!)
待つしかない…あみんだね。
無駄だとわかっていても
「神様、お願い!」と心で何度もつぶやいていた。

40分遅れでシャトルバス(ワンボックスカー)はやって来た。
運転手にチケットを見せ、
「コパン・ルイナス?」と尋ねる。
「シー、シー(そうだよ)」
車内の一番後ろに乗り込み
長い長い不安からようやく開放された。
iPodを取り出し、1曲目も終わらないうちに眠りに落ちた。

 

コパン・ルイナス

コパン・ルイナス(ホンジュラス)まではおよそ5時間だ。
午前10時に国境に到着。外は驚くほど暑かった。
ここの国境はグアテマラとホンジュラスの窓口が隣り合わせなので
流れ作業的にサクっと通過できる。
ホンジュラスにはどうせ1泊だけなので
レートは悪いが国境にいる両替商に30ドル分両替をお願いした。
ではここで恒例のひと言を。

「56ヶ国目、ホンジュラス入国!!」っと。

 

再会の握手

実はホンジュラスでは“ある再会”を約束していた。
遡ること5ヶ月前、
アフリカはエジプト、スーダン、エチオピア、ケニアと
一緒に旅したもうひとりのヒロ。
過酷な移動を共にした2人目のパートナーである。
つい先日メールをもらい、すぐ近くにいることを知った。
しかも、この先のルートもほぼ同じだったので
再会し、また一緒に旅ができればいいなと思った。

待ち合わせはコパン・ルイナス。
約束から1日遅れの再会を果たす。
町に着くなり彼は変わらぬ姿で現れた。

「おひさしぶり」
握手、握手。

宿に荷物を置いてくる間待っていてもらい、
すぐに「コパン遺跡」に出かける準備をした。
ずっとひとり旅だったので心が躍る。
遺跡観光はひとりがいい、なんて思っていたけど
感動が共有できないのは寂しいよね。

 

マヤの遺跡へ

さてコパン遺跡は、
紀元前500年頃から紀元後1000年頃にかけて
マヤ南部、コパン川渓谷で繁栄した遺跡である。
コパンでは5~9世紀にかけて絢爛たる芸術文化が花開いたそうで、
この遺跡の特徴はマヤ神聖文字の石段や、
王一族をモチーフにした繊細な高浮き彫り、
さらには石造建築群である。
神聖文字は「世界一難解なジグゾーパズル」とも言われ
日本もその補修工事に携わっている。

旅はアメリカ大陸を北上することで
遺跡はインカからマヤへと変化した。
時代をどんどん遡っていることになる。
道中、お互いの旅を振り返りながら
尽きることのない話に花を咲かせ、
遺跡内では久々に感想を言い合いながら
悠久の歴史に思いを馳せた。

コパン遺跡はインカよりもずっと古い時代のものなのに
とても保存状態が良く、
また観光客も少なかったのでトリップ感は抜群だった。
よくもまあ、密林の中でこの遺跡を発見し
ここまで修復したものだ。

 

風が抜け、魂が洗われる

「ここで何をしてたんだろう?」
と、広いアクロポリスに立ち尽くし、周囲を見渡した。
迷路のような遺跡を隈なく歩き回り、
玉のような汗をかいては木陰に腰を下ろした。
風が抜けていくと
魂が洗われるようでとても清清しく、神聖な気持ちになる。

「すごいところにいるんだよね…」
果たしてこの先、ホンジュラスに来る機会なんてあるのだろうか?

その夜、ヒロ君が宿を訪ねてきた。
明日のフローレス(グアテマラ)行き決断したという。
本当は途中の町で刻みながら移動する予定だったが
直行便の国際バスで早足の旅に付き合ってくれるという。
「ありがとう」
旅の超終盤でふたり旅が始まった。

目指すはメキシコ、そして日本。
どこまで一緒に旅するかはわからないが
ハローグッバイの旅の中で
こうして再会できた奇跡に感謝したい。

 

旅のカケラ/slideshow

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