地球規模の迷子!?

タイ国境の街、ラノーン。
お隣はミャンマーだ。
ミャンマーは陸路での入国を禁じている国で、
飛行機でしか入れない。
だが、ある地域だけは陸路での国境越えが可能だとか。

それがラノーン。

 

ミャンマーを目指すべく、
まずはソンクラーからハジャイへ。
ハジャイのバスターミナルで
「ラノーン」行きのチケットを探した。

 

「ラノーン、ラノーン」
こう叫びながら歩けばたいてい誰かが教えてくれる。
ほら、「フォロー ミー」(タイ人)
笑顔で後につづく。

カウンターでチケットを購入。55バーツ。
でも荷物が多いからと余計に28バーツを追徴された。
ミニバスに乗り込み、心地よい眠りについた。

 

早すぎる到着

「ラノーン、ラノーン」

運転手が合図する。
えっ!?もう着いたの??
出発して1時間半。
ラノーンまでは300kmはあるはず。

いくらスピード狂の猛者が集うタイとはいえ、
ありえない早さだ。
しかし、目の前にはボーダー(国境)のゲートがそびえている。
まずは、宿を見つけようと街をうろつく。
タクシーが何人も声をかけてくる。

「どこへ行くんだい?」(タクシー)
「ミャンマーだよ」(KAZ)
「??」、「マレーシア??」(タクシー)
「マレーシアじゃないよ(笑)」(KAZ)

まさかの結末

地図を片手に歩くが、目的の宿が見つからない。
街の人に聞いても「知らない」の一点張りだ。
仕方がないので食堂で昼食を摂ることに。
ここでも「マレーシアに行くの?」と尋ねられた。
何かがおかしい。世界地図を開き、お店の人に問う。

「ここはラノーンだよね?」(KAZ)
「そうだよ」(店員)
「ミャンマーに行きたいんだ」(KAZ)
「それは遠いよ…、マレーシアの間違いでしょ?」(店員)

いったい何が起きてるんだ???
タイとミャンマーの国境なのになぜマレーシア?
30分後、すべての謎は解けた。
行きたい街は「Ranong(ラノーン)」、
そしてここは「Ranong」、

同じじゃん!!!

ただね、スペルは同じでも微妙に発音が異なるそうだ…(汗)
「Ranong(ランノック)」
日本人がラノーンと発声すると、
現地の人にはランノックと聞こえてしまうらしい。
正しくは「ラ・ノーン」と、
ラを強調するのがコツだとか。

振り出しに戻る

もうお判りだが、
ここはマレーシアとの国境の街「ランノック」で
目指す街とは正反対に位置する。
偶然が偶然を呼び、まぎらわしい名前に加え、
どちらも国境があるんだもん…。

再びハジャイへと戻り、
今度は慎重に「ラ・ノーン」行きのチケットを購入。
21時発の夜行バスまでの5時間を
ターミナルで過ごした。

お目当のバスを見つけ、狭い車内に身を押し込み、
大音量で流れるタイ映画を子守唄に夢と、
異国の夜の狭間を彷徨った。

早朝3時30分、今度こそラ・ノーンに居ます。
林道にぽつんとあるバス停、
周囲は真っ暗で右も左もわからないので
ここでしばらく時間をつぶしてから
ミャンマーを目指すことにした。
ひとりぼっちで…。

旅のカケラ/slideshow

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