情熱の酒

日本にいるときにイメージしていたメキシコのイメージは
タコス、サボテン、大きな帽子(ソンブレロ)、テキーラ…
そして、ラテンの陽気さとカラっとした太陽。

 

メキシコのイメージ

アミーゴ、アミーガ!
タコスは食べてる。(毎日)
サボテンはもっと北の方に行かなきゃ見れないみたい。(遠い)
ソンブレロを被ってる人なんて見かけない。(売ってるけど)
じゃ、あとはテキーラだ。(飲めないけど…)

今いるグアダラハラから約50km、
「テキーラ」という名前の町がある。
そう、ここがテキーラのふるさと。
町の名前がそのまま蒸留酒の名前になっていたとは知らなかった。
グアダラハラのサンフランシスコ広場から
テキーラを訪ねるバスツアーを催行していたので
こいつを利用することにした。
ツアー料金は300ペソ(約2600円)と高かったが確実性をとって。

 

テキーラツアー

午前9時半、集合場所に行くとワゴンが1台停まっていた。
「さあ乗って、乗って」と言うのでワゴンに乗り込むも
他のツアー客はゼロ…。大丈夫?
待つこと15分、運転手が困った顔で話しかけてきた。
「バスに乗り換えよう。たぶん他のホテルから
参加者がこっちに向かってると思うから」
ホント、大丈夫?
新型インフルエンザで影響でメキシコを訪れる観光客は激減…。
だからこのツアーも人が集まらないのだろう。

大型バスが迎えに来た。
これに乗れ、じゃあ行ってらっしゃい、と言われるままに
バスに乗り込むと今度は5人ほど乗客がいた。
ガイドらしきおじさんがお金を集めている。
300ペソを支払いようやくツアー開始か?

ところがバスは高級ホテルに停まり、
またワゴンに乗り換えを命じられた。
よくわからん…。
結局ツアー参加者は7人。
セレブな雰囲気漂う年配者たちだった。
いわゆる日傘さしちゃう系。

 

世界四大蒸留酒

メキシコ中西部のテキーラ地方は、
テキーラの原料となるアガベの広大な畑が広がり、
その中に18世紀から建てられたテキーラの醸造工場群が並ぶ。
2006年、テキーラ農園の景観と町に残る古い酒蔵施設が
世界文化遺産に登録されている。

メキシコの代名詞とも言えるテキーラ、
「いいことがあったら、テキーラ。悪いことがあってもテキーラ」
という諺があるほど、メキシコの人々にとって、なくてはならない酒。
その原型はメキシコの先住民たちが飲んでいた酒だったそうだ。

青アガベの茎から絞った汁を発酵させた酒は、
戦士に勇気を与え、神官に神と交信する力を与える特別なものだった。
その酒が現在のテキーラへと変化を遂げたのは16世紀、
スペインが蒸留技術を持ち込んだことに始まる。
テキーラは今や世界中で飲まれ、
世界四大蒸留酒の一つに数えられている。

遺跡や旧市街といった世界遺産はこれまでたっぷりと目にして来たが
自然遺産ともひと味違うこの遺産、
人の営みを感じるし、今も生きている。
こういう世界遺産は心が癒されるよ。

 

青アガベ農園

青アガベ農園では、巨大なパイナップルのような
地下茎部分を掘り起こし、収穫の様子を見せてくれた。
重さ50kmというから大変作業だ。
収蔵工場では製造過程を見学。
テキーラは苦手だがこの芳醇な香りは好き。
酒は飲むよりも工場を見学しているほうが
楽しいしテンションが上がる。

 

締めくくりは銘酒の試飲。
ううぅ、一番苦手な時間…。
小さなコップに注がれたテキーラ、
ほんのりと黄金色で、香りはいい。
でも、口に含むと強烈なアルコールが広がり
喉のちょっと下が焼けるように熱い!
目をまん丸に見開いて、
「辛いよ!!」と抗議するとツアー客は大いに笑っていた。

テキーラと言えばマルガリータでしょ?
マルガリータの原液にほんの少しテキーラをたらして
激甘な一杯を口にした。うん、旨い。

 

ランチは自腹?

ツアーはその後テキーラの町を訪れた。

「ではここで2時間の自由行動です。
ランチにしましょう!」

おお、待ってました!ランチタイム。
当然ビュッフェでしょ?
ところが…。
三々五々に散っていくツアー客。
あれ?お店はバラバラなの??

「ランチは好きな店でどうぞ。
おススメはあそこの青いパラソルの店です」

嫌な予感。
ひょっとしてランチは自腹?

「もちろん」

やられたよ…。
ツアーを申し込むときにランチ込みだと説明があったので
この高いツアーで手を打ったのに!
くぅ…詐欺だ!
文句を言いたくてもスペイン語はおろか
英語も話せないので泣き寝入り。

ヤケ酒ならぬ、
1つ5ペソ(約40円)のタコスをヤケ食いした。

「いいことがあったら、テキーラ。
悪いことがあってもテキーラ」
とはいかないからね…。

 

旅のカケラ/slideshow

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