旅はまだ終わらない。
心の中ではどこかやりきった感があるが
ここメキシコにときめいている気持ちがあるから
もう少しだけ。
イスラ・ムへーレス
カンクン。ここの物価は高い。
メキシコ全体がそうなのかも知れない。
昨日はカンクンのホテルゾーンに出向き
コバルトブルーの海、純白のビーチ、カリブの楽園を探したが
正直空振りに終わった。
写真で見たようなビーチはホテルの敷地内にあり、
宿泊客じゃないと法外な入場料を取られてしまう…。
カンクンの敷居の高さを知った。
そこで今日はフェリーに乗ってカンクン沖11kmの洋上に浮かぶ
「イスラ・ムへーレス」という小さな島に行くことにした。
カンクンに比べ物価が安く、
でも青い海と空はそれ以上のものがある。
アパートを借りる?
フェリーも30分間隔で運航していて
運賃はたったの500円(往復)。
波に揺られること30分、
そこは太陽のかけらが直に降り注ぐ楽園だった。
イスラ・ムへーレスとは「女の島」という意味。
アステカ帝国が滅亡する以前、
スペイン人がこの島に上陸した際に
イシュチェルというマヤの女神像を発見したことが
名前の由来になっているそうだ。
ガイドブックには素朴な島と書かれていたが
通りは人で溢れ、タクシーやゴルフカートが
ひっきりなしに走っている。すごい喧騒…。
ダイビングやツアー、レンタルバイクの客引きも多く
「アミーゴ、アミーゴ」としつこく声をかけてくる。
日本語も聞こえ、なんだかタイにいるみたい。
宿も思った以上に高かったが、
片っ端から料金を聞き
結局短期(2日間)でアパートを借りることにした。
キッチン付の部屋で、家電もひと通りそろっている。
日本でいう1DK、駅近もとい海近、インターネットフリー物件。
家賃は1日約1500円。もちろん敷金・礼金ゼロ。
穴場ないい場所を見つけた。
とても居心地がよく、外に出るのがもったいないくらい(笑
でも、それじゃスタイルに反するので
陽が高いうちに散歩に出かけることにした。
耳をくすぐる夏の音
町はとても小さく、お洒落なレストランや土産店が軒を連ねている。
メキシコ人は積極的で、ちょっとでも商品に目をやろうものなら
マンツーマンでマークされ、
ノータカイ、ホトンドタダ、とおかしな日本語で買物を勧められる。
ゆっくり見て選びたいのに
どんどん商品を持ってくるから結局逃げ出しちゃった。
ふぅ、疲れる…。
「プラヤ・ノルテ」
ビーチは絵に描いたように美しく
海はどんな絵の具でも出せないような青をしていた。
波の音が暑さを少し緩和してくれる。
太陽のかけらが海に跳ね返り、キラキラと綺麗だった。
ヤシが揺れる。
ザワザワと耳をくすぐる夏の音。
浜辺のバーからレゲエが流れ、
カクテルグラスを傾ける人たち。
楽園だ。
宿に戻るとそのままベッドに沈んだ。
窓から冷たい風が抜けて気持ちいい。
波のBGMを聴きながら久しぶりの昼寝。
目が覚めるとすっかり夕方で
ほのかに空がオレンジに染まっていた。
島時間は穏やかで愛おしく、
潮風は砂と少しの淋しさを運んでくる。
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