はじめての浮遊体験

ふわふわ、プカプカ、
浮遊体験を一度してみたかった。

 

 

死海

イスラエルとヨルダンにまたがる湖で、
海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、
死海は30%の濃度を有する。

そのため生物の生息には不向きな環境で、
魚類の生息は確認されていない。

死海という名称の由来もここにある。
死海と聞いてイメージするのは、
全身真っ黒に泥を塗った泥パックや
プカプカと水面に浮かびながら
読書をする姿など、
優雅なリゾートシーンではないだろうか?
ふわふわ、プカプカ、
浮遊体験を一度してみたかった。

 

エン・ゲディ

ヨルダン側から死海に行くつもりだったが、
イスラエルのエルサレムから
ダイレクトバスがあることを知った。
片道約1時間半、日帰りも余裕だ。
これは行くしかない!
目指す「エン・ゲディ」までのバス代は
往復で57シュケル(約1800円)、
毎時1本のバスが出ていた。

リゾートファッションに着替え、
おやつをリュック詰め、宿を飛び出した。
気分はすでに死海を漂っている(浮き浮き)。

荒涼とした景色が車窓に広がり、
海(湖)の気配なんてない…。
カーブをいくつか越えると、
突然視界に“青”が飛び込んできた。

「あ、死海だ☆」

 

ビーチを目指して歩く

どこで降りればビーチなのか分からず
まごまごしてるうちにバスは山を再び上りだした。
慌てて降ろしてもらったが時既に遅し…、
ビーチから随分と離れた場所まで来てしまった。

そこはまるでオーストラリアのような大地。
赤い岩山と青い死海のコントラストが美しかった。
真っ直ぐに伸びるハイウェイにぽつり。
猛スピードで走り去る車の風圧に
よろめきながらビーチを目指して歩く。

30分くらい歩いただろうか、
パラソルマークの標識が見えてきた。
すっかり太陽に焦がされた身体を
死海の水で冷やしてやろう。

お湯になりつつあるペットボトルに口をつけ、
ラストスパートで急な坂道を下りていった。

 

宇宙を飛んでる気分だ♪

 

すごーい♪ 浮いてる、浮いてるよ!

そこには本やテレビで見た
お約束の光景が広がっていた。
ホントに浮かびながら新聞を読んでる人がいるし、
全身真っ黒星人も。

岩陰に荷物を隠し、いざ入水!
限りなく透明に近いブルー。
澄んだ水は思ったよりも温かった。
ただ砂浜ではないため、足が痛い…。
チクチク石をつま先歩きでかわしながら
深みを目指す。

足が着かなくなると同時に
ふわっと、身体が持ち上がる。
なんじゃこりゃ??
何もしなくても水中で立てる、
仰向け、うつ伏せ、3回転切りもみ…。
なんでも自由自在。

これぞ浮遊体験!
大げさに言えば宇宙を飛んでる気分だ♪

ただ、死海では泳ぐのにコツがいる。
足がどうしても湖面から出てしまうので、
平泳ぎは妙に不恰好…。
思わず前のめりになって、
でんぐり返しが始まりそうだ。

 

クロールは可能だったが、
海水が目に入ったらワヤ!
なんてたって塩分濃度30%だから
みかんの皮でエイ!って
地獄目薬を注される数倍痛い。

正解はバック平泳ぎ。
背泳ぎの体制で手の力だけ使って進むのがベストである。
いやぁ楽しい。
年甲斐もなくはしゃいださ。
周囲はみなラッコ状態。
変な絵だよ(笑

 

どこまでも青い空と海

ところが10分もすると身体に異変が…。
ヒイヒリ、ヒリヒリ。
昨夜蚊に刺された跡が、
目の周りや関節、皮膚の弱い部分が痛み出す。
そう、塩分が強すぎて身体が嫌がってるのだ。

急いで陸に戻り、シャワーを浴びた。
水に浸かってはシャワーを浴びる。
これを3度繰り返すと死海に満足した。
そんなに長居できる場所じゃないのね…。

一緒に行った美容師さんに
浜の木陰で髪を切ってもらった。
7ヶ月ぶりである。
泳いだ後の心地いいダルさ。
チャキ、チャキと
これまた小気味いいハサミの音。

どこまでも青い空と海。
夏休み、骨休み。
帰りのバスでは「スタンプが…!?」と、
訳のわからない寝言も飛び出し、
バスの中でも浮いてしまった…(苦笑)

イスラエル、いいとこ、一度はおいで。
2泊の予定が早6泊、、、
うーん、離れたくない。

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