旅は18ヶ国目のレバノンに入り、
“お菓子の首都”と呼ばれるトリポリにやってきた。
アラブ菓子の誘惑
スーク(市場)を歩けば、街中いたるところに
アラブ菓子の店があり、
まるで宝石のように煌びやか。
明日は、ひとりで甘いもの祭りを開催する予定だ♪
1泊で抜けてしまう予定だったトリポリ。
アラブ菓子以上に惹き付けられたのは
今泊まっている『ハダッド・ペンション』の
居心地の良さ。
従業員は皆親切だし、部屋も快適。
昨夜は同じ部屋のレバノン人(推定50歳)が
手作りの夕食をごちそうしてくれた。
次に向かう街はベイルート。
都会(特に首都)が苦手なので、
もう少し心の準備をしておこうと…。
レバノン杉とカディーシャ渓谷
さて、今日は観光DAY。
まぁ、毎日観光してるわけですが、
気合を入れて、本気で、目的意思をはっきり持って
観光する日をそう呼んでいる。
目的地は「レバノン杉とカディーシャ渓谷」。
世界遺産の景色を眺めに行こうと。
トリポリのバス亭から毎時1本、
「ブシャーレ」行きのミニバスが出ている。
8時の便に乗ろう!と息巻いていったのだが、
始発は9時だと言われてしまった…。
道端で売っているチーズホットサンド(約50円)を
かじりながら待つことにした。
ブシャーレまでは約1時間、
料金は4000レバノンポンド(約260円)。
日本に比べればドンキホーテもびっくりの安さだが、
最新のガイドブックに掲載されている料金の2倍!
原油の高騰はホント死活問題だよ…。
バスは急な山道をぐんぐん上る。
ブシャーレは標高1450mの高原の街で、
レバノン杉はブシャーレから7kmほど上った
標高2000mの山の麓に群生している。
ブシャーレの教会前がバスの終点だった。
歩いていこう
ここからは徒歩となる。
レバノン屈指の観光スポットということで、
たくさんのタクシーが待ち構えているが、
お生憎様、ノーサンキュー。
片道10ドルはいただけない。
2時間歩くくらい朝飯前、
いや、ラマダン中だから晩飯前っす!
レバノン杉の群生地までのルートは2通りあった。
1つはメインロードとして使われている新道で、
もう1つは細くくねった旧道。
新道は交通量が多いのでヒッチできる可能性が高いが、
それでも景色がいいという旧道を選んだ。
カディーシャ渓谷を眺めながら、
爽快なトレッキング。
ここレバノンには四季があり、今は夏の終わり。
まだまだ鮮やかな緑がまぶしいが、
風は確実に秋の涼しさを帯びていた。
冬にはここは一面の銀世界になるという。
葡萄の坂や林檎の丘を越え、
街はどんどんジオラマになっていく。
この旅でたくさんの絶景を目にしてきたため
感動のバーが上がっているはずだが、
それでも景色たちはセルゲイ・ブブカのように
その上を軽々飛び越えていった。
今日の景色はどこか日本に似ていて
優しい絶景が広がっていた。
レバノン杉との出会い
レバノン杉に出会うまで約2時間かかった。
日本の杉とは異なり、幹が根元から分かれ、
枝もうねうねと曲がっていた。
それもそのはず、スギと言われているが、
実はマツ科の植物。
ファニキア時代には船の材料として重宝され、
伐採が進んだ。その結果、
一面覆っていたレバノン杉は
今では1200本あまりを残すのみとなった。
現在は手厚く保護され、
レバノンの象徴として国旗にも描かれている。
「ときはスギ いまは緑を じっとマツ」
旅人川柳を一句ひねり、得顔で下山した。
往復14km、久々にいい運動をした。
トルコ以来、自然とラマダン状態で
(物価が高く、思う存分食べれないため)
身体の線がまた細くなった気がする。
体力もずいぶん落ちたような…。
疲れた身体には甘いものがいい。
ついでに体重も少し増えてくれ。
あぁ、明日の“甘いもの祭り”が待ち遠しい♪
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