ニースを後にし、列車を乗り継いでイタリアを目指す。
でもその前にちょっと寄り道して再びモナコを訪れた。
前回来たときは革命記念日で郵便局が休みだったため、
コレクションの切手&消印を入手できなかった。
そのリベンジ。
再びのモナコ
地図と頼りに郵便局を目指したが、いかんせんこの街は複雑。
街全体が立体構造で、街を移動するのにエレベーターを使う。
だから二次元の地図を追いかけながら歩いているとすぐに迷子…。
道行く人に何度も道を尋ねながら目的地へ向かった。
スタンプ帳に切手を貼り、消印を押してもらう。
これで任務完了!
シンガポールから始めたこのコレクションは
すでに54ヶ国を制覇している。
(コスタリカとカナダの2ヶ国は任務失敗…残念)
イタリアへ出発
急いで駅に戻ると、
ちょうどイタリア行きの列車が発車する時刻だ。
モナコから2~3駅、ものの20分でイタリアに入国した。
というわけで、
57ヶ国目「イタリア」です! チャオ♪
ヨーロッパはイミグレーションがないからちょっと淋しい。
イタリアに入ったものの実感がわかず、スタンプも押してもらえない。
モナコではわざわざ市庁舎を訪ね、スタンプを押してもらった。
イタリア最初の街はヴェンティミリア。
ここでミラノ行きの列車に乗り換えるわけだが、
なぜかミラノ行きは1日に4~5本しかなく、
出発まであと15分、これを逃したら次は4時間後だ。
人ごみを掻き分けて窓口に走った。
窓口は2つしか開いておらず、どちらも長い列が出来ていた。
どっちが早いか?
たいていこうゆう賭けには負ける。
ほらやっぱり、直前でおじいちゃんがもたつき始めたよ…。
頼むから早くしてくれ…!!
心で悲痛な叫びを上げ、時計を何度も見る。
咳払いをするもおじいちゃんはのらりくらり。
出発2分前、ようやくおじいちゃんが片付いた。
「ミラノまで、2等で!!」
50ユーロを窓口につっこんで腕時計を指差した。
さすがはイタリア人、
職員もおじいちゃんに負けないくらいマイペースに仕事を進める。
早く、早く…
無情にも出発の時刻を迎えた。
それでもチケットを受け取ると全力でホームに走った。
気分はリレーのアンカーだ。
列車はまだ出発していなかった。
さすがはイタリア、のんびりさに今度は感謝しよう。
ヴェンティミリア→ミラノ
(所要時間:4時間/運賃:20ユーロ ※約2700円)
ミラノ→ヴェネチア
(所要時間:3時間/運賃:28ユーロ ※約4000円)
と、2本のユーロスターを乗り継いだが
ヨーロッパの鉄道って高いんだね…。
まぁ、新幹線並みに静かで快適なんだけどさ。
サンタ・ルチア駅
午後6時、
列車は静かにヴェネチアのサンタ・ルチア駅に滑り込んだ。
周囲11kmほどの島である。
“世界で最も美しい都”と形容される水上都市。
街は静かだった。
それもそのはず、この街には車が1台も走っていない。
ここではバスもタクシーもすべて水の上、
街に張り巡らされた運河が道路の役目をしている。
あまりに綺麗な街だったので
駅を出た瞬間にそのまま立ち尽くしてしまった。
一生に一度は行ってみたいという憧れを抱かせる魅惑の街。
世界一の称号は過言じゃない。
静かな運河はゆるやかに流れる時間を象徴していた。
おっと、のんびりしていられない。
今夜の宿を確保しなければ。
この時期のヴェネチアは超がいくつもつくハイシーズン。
予約なしでは宿探しが難しいと聞く。
1つ星と2つ星のホテルをとにかく片っ端からあたってみよう。
どこのホテルも当然だろ、って顔で「満室」と言われた。
それでも下手な鉄砲数打ちゃ当たる!
10軒目にしてようやく部屋を押さえられた。
路地のずっと奥にある小さな運河のほとり。
静かでとても気に入った。
残念ながら明日はすでに予約で埋まっていると言うので
荷物を置くとすぐに明日の宿探しを始めた。
再び満室攻撃に遭う。
そして空からは大粒の雨と巨大な氷が降ってきた!
なんじゃこりゃ…。
当ったら怪我するって!!
慌てて建物に逃げ込み、事態が収まるのを待った。
幸いなことに逃げ込んだ先は小さなホテル。
ダメもとで部屋の空き状況を聞くと
「あるよ」と嬉しい返事が返ってきた。
ハハハ、ヒョウラッキー♪
予約を済ませ、雨上がりの街に飛び出した。
気温がぐっと下がり、
雨上がりの爽やかな風が街を包んでいた。
そして、静かな夜が始まろうとしている。
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