大脱出!

ムルシ族に会うために訪れたジンカ。
昨日、そのハイライトを終えてしまった。

そうなれば、エチオピアに長居は無用。
早く次の国「ケニア」に行きたいと、
大移動、大脱出を試みた。

 

お馴染みのシーン

午前4時、いつもの時間に起床!
電気のない中、
ヘッドライトを灯しながら荷物をまとめた。
バスのチケット・座席争奪戦もこれで最後。
今日は一気に国境の町「モヤレ」を目指す。
これもお馴染みのシーン。
バスターミナルの開門と同時にダッシュし、
チケットを確保、つづいて座席を確保。
バスの屋根によじ登って荷物をくくりつけ、
狭く暗い車内で出発まで息を潜めた。

これで最後か…、
な~んて、まったくもって感傷的にはならなかった(笑

今日もバスはよく揺れた。
この揺りかごは嫌いじゃない。
ジャンプしたはずみで何度も目を覚ましたが、
到着までの約6時間、よく眠った。

 

コンソで乗り換え

「コンソ」でバスを降りた。
この街は交通の要で、
国境へ行くにはここで乗り換えが必要だった。
すぐ目の前に荷物と人を満載したバスがいたので
尋ねてみると、「モヤレ」行きだと返事が返ってきた。
コンソ→モヤレはおよそ8時間、
覚悟を決め、2回戦に臨んだ。

エチオピア最後のバスは、今までで一番混んでいた。
すでに座席はなく、運転手の隣にちょこんと座った。
背もたれがないので、後ろの人と背中合わせで座り、
端から見たらまるで恋人どうし…。
お互いの体重をあずけて、バランスを保った。

どこまでもつづく1本道。
青空、赤土、深緑…
景色はずっと原色だった。

 

モヤレに到着

途中でパンクし、夕食を食べ、
街灯のない夜道をガリガリとバスは行く。
モヤレに到着したのは午後8時。
真っ暗な町を4人で歩いた。

お目当ての「ツーリスト・ホテル」は、
電気と水がなかったが、
とにかく疲労困憊の僕らは
背中に荷物から開放されたい一心で、
この宿に決めた。
もう100mも行けば、そこはケニアだった。

宿の台帳に知ったる名前を見つけた。
「カズマ」
この旅で何度も交差している人物だ。
エチオピアで会おう!
そう言ってエジプトで別れ、1ヶ月が経っていた。
どうやらひと足早くケニアに入ったようだ。

よし、あと一歩で追いつける。
大移動で疲れていたので、
午後9時にはベッドに横たわり、
すぐに夢の中へ―。

目が覚めると、なぜか蚊帳に包まっていた。
よく寝たなぁ、と腕時計を照らすと
まだ午後11時だ!?
もうひと眠りするには目が冴えてしまったので
表に出て、星空を眺めた。
停電中の町は、星がキレイだった。

■本日の移動費
ジンカ→コンソ 6時間/50ブル(約500円)
コンソ→モヤレ 8時間/100ブル(約1000円)

 

旅のカケラ/slideshow

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