ダイナミズム!

エチオピア南部の町「アルバミンチ」。
町はアバヤ湖のほとりに位置し、
昨夜は名も知らぬ魚料理を口にした。

大地溝帯の底部にあたるため水分が多く、
緑が多く繁っているのは美しいが、
とにかく蚊が多い…。

 

ドルゼ族に会いに

今日は木曜日。
付近に住む「ドルゼ族」が町に降りてきて
マーケットを開く日である。
宿のスタッフいわく、お昼前が賑わっているそうなので
その時間をめがけて出発した。

ドルゼ族とは、蜂の巣を模した竹製の家屋に住む民族で、
家の周囲はバナナ畑が広がり、
今なお伝統的な生活を守っている。
単一民族である日本人にとって
“少数民族”という響きは新鮮で、
勝手なロマンと憧れを抱いてしまう。

日本にいる少数民族といえば、
暴走族にカラス族、
そしてすでに絶滅したであろう
タケノコ族くらいだもの(笑

 

活気あふれるマーケット

マーケットまでは宿から徒歩10分だった。
空は快晴。
山の流線が青空に映え、空気も澄みきっていた。
未舗装の道路に人と物が溢れていた。
カラフルな布や香辛料、
バナナや野菜も山盛りだ。
ぜ~んぶ朝摘みの新鮮素材!
特別欲しいものはなかったが、
見飽きない市場だった。

ドルゼ族は姿格好は他のエチオピア人と
さして変わらないため見分けはつかないが、
明らかに好意的だった。
お金をせがむこともなく、
写真を撮ってくれ、とポーズを決める。
その素朴な人柄に、乾いていた心が潤った。

 

撮影大会

市場を抜け、小さな集落に迷い込んだ。
真ん中に大きなアカシアがあり、
そのてっぺんには
たくさんのペリカンが羽を休めている。
ときどきクワっ、クワっと、
大きなクチバシをこすり合わせて、
仲間たちとエサを分け合っていた。
夢中になってペリカンを撮っていると、
いつの間にか村人に囲まれた。

「鳥よりも、私たちを撮りなさい!」
そう催促してきたw

老若男女入り乱れての撮影大会が
ここに開催された。
キリがないくらい彼らは写真好き。
順番なんて守らないから、
どんどんレンズに近づいてきて
ピントなんて合やしない…(笑

 

温かい視線に包まれる

ふいラオスの光景が甦った。
あの頃はまだ旅慣れていなくて
おっかなびっくりで村を訪問したものだ。
写真を撮るのもひと苦労。
お金をせがまれるんじゃないか?
急に怒りだすんじゃないか?
と、ドキドキしたことが懐かしい。
ポーンと、彼らの懐に飛び込んで、
同じ目線で一緒に笑っていれば
心をつかめるなんてまだ知らなかったから。

トウモロコシの山にのぼり、
柔道を投げをひとつうった。
周囲はどよめき、たちまち人だかりだ。
空手のマネをすれば、
腕自慢が踊り出て、「カモン!」とあごをしゃくる。
自転車少年をつかまえて後ろに飛び乗る。
大袈裟に驚いて、カメラを構えれば
温かい視線に包まれる。

嫌いになりかけていたエチオピアが
また好きになった。
アジアにはないダイナミズム!
アフリカって、おおらかで楽しい。

 

旅のカケラ/slideshow

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